夫にゴミ出しをお願いした結果
ドイツの郊外にある住宅地では、指定されたゴミ収集日に、各家庭の前に置いてあるゴミ袋を収集スタッフが一軒ずつ家の前を回り、収集車に積み込んでいくスタイルが一般的です。
この写真を見て、何を感じますか?
我が家の夫婦喧嘩の流れは、いつも同じパターンだ。
私が瞬間湯沸かし器のように夫の行動にブチ切れる→夫が逆ギレ→過去の許せなかったことがよみがえり、さらにヒートアップ→収拾がつかず、数日間険悪なムード→そしてまた最初に戻る。
この繰り返しが、子どもが生まれてから数年続いていた。
何が原因で、どう解決すればよいのか話し合う暇もなく、次の喧嘩が発生するので、喧嘩のない日を数えた方が早いくらいで、憎しみばかりが膨らんでいった。
そんな日々にようやく終止符が打てるかもしれない瞬間が訪れた。
冒頭の写真のように夫がゴミ出しをしてくれたのを見たとき、これまで私が夫の行動に感じていた違和感が、くっきりと明確になったのだ。
私がついカッとなってしまう原因がこの違和感であり、それが夫婦の喧嘩を招いていたのだと確信した私は、長年の問題に解決の糸口が見つかった気がして嬉しくなった。
そして玄関先で出迎えてくれた夫に笑顔で写真を見せながら声をかけた。
「すごい!ゴミ出ししてくれてありがとう!」
まずは女優のように振る舞い、夫の様子をうかがった。
「きちんと整列していて、美しいだろう?」
得意げな顔をする夫の驚く言葉にため息が出つつも、なんだかおかしくなってきて、私はもう一枚の写真を見せた。
「うん、綺麗だね。でも、これを見て。私がいつもやっているゴミ出しはこんな感じなの。1つずつフックから外さなければならないあなたのやり方だと、忙しくて怒りっぽい収集スタッフたちが、そのままゴミを放置してしまうかもしれない。違いが分かる?」
夫の表情が少しこわばってきたが、私は嬉しさと興奮で止まらない。
「この写真の違いが私たちの喧嘩の原因だったのよ! 私も気づくのが遅かったけど、あなたは想像力が乏しいのよ♥️ でも、もうこれで大丈夫! 原因が分かれば、対策もできるわ! 一緒に考えて頑張ろう!」
共に喜びを分かち合い、笑ってくれると思っていたのに、夫は激怒してそのまま自分の仕事部屋に戻ってしまった。
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