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【北欧図書館の仕掛け4】図書館でお茶を出していいですか?

好きな本を読みながらコーヒーを飲む。人生でこんなに幸せな時間があるだろうか。

北欧ではみんな図書館でお茶を飲みながら本を読むことを人生の楽しみにしている。大きい図書館には居心地のよいカフェが設置されているから、そこでくつろぎながら図書館の本を読むことができる。

オランダ・ゴーダ市立図書館内のカフェ

カフェが設置できるほど大きくない図書館では、書架の隣に自動販売機が設置してあり、閲覧室でコーヒーを飲みながら読書を楽しむ。普通は図書館のゲートの外に置かれそうな自動販売機。それが北欧やオランダでは、書架のすぐ近くが定位置である。館内でのコーヒーのサービスは、本を読んでいるとコーヒーが読みたくなり、コーヒーを飲んでいると本を読みたくなる……そんな私たちのごく当たり前の欲求を実現している仕掛けである。

書架のすぐ脇に置かれたコーヒーの自動販売機(OBA IJburg・オランダ)

自動販売機を設置する場所や予算もない図書館では読書&コーヒータイムは無理? そんなことはなかった。デンマーク・コペンハーゲンの集合住宅の一角。小さな小さな図書館では、司書がテーブルにコーヒーセットを用意していた。コーヒーセットの横にはごくささやかなコーヒー代を入れるための瓶が置かれている。安いとコーヒーの味もイマイチかも……という懸念は、北欧に限って不要である。ポットの中には確実にしっかりとした濃いコーヒーが入っているから。

さあ、コーヒーをどうぞ!(デンマーク・Biblioteket Domus Vista)

図書館でコーヒーと読書を楽しんでから、さらに自宅用の本を選んで借りて帰路に着く。そしてまた読書の続きにとりかかる。その傍にはきっとお気に入りの飲み物があるに違いない。図書館での読書も家庭での読書も、どちらも同じスタイルで……。

だから…図書館でお茶、出してもいいですよね?


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