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台湾のパイナップル剥き達人「他殺」動画7選

日本で話題沸騰中の台湾パイナップル。各地でぼちぼち入荷情報が聞かれるようになりました。台湾好きとしては嬉しい限りです。

■自殺か、他殺か

台湾のフルーツ店では、パイナップルを「自殺」するか「他殺」するかを選ぶことができます。ここでいう「殺」は、皮を剥くこと。
「自殺」は自分で切るという意味なので、パイナップルを丸ごと持って帰る形です。すぐ食べるならお店の人が切ってくれる「他殺」をお願いすると、目の前で素晴らしい職人技を見ることができますよ。

■すばらしいパイナップル「他殺」動画7選

達人たちの皮剥きにもいくつか流派があります。以下、YouTubeで見つけてきた素晴らしい手技をご覧ください。どれも1~2分程度の短い動画です。
「~型」の名前は、今私が適当に考えました。

(リンク先が削除等された場合はご容赦ください。)
【1】かつらむき型
まな板の上で大根のかつらむきのように皮を剥く型。台湾のニュース動画です。1個のパイナップルを超速で剥いてしまう達人おばあちゃんの名前は「林香蕉」。香蕉(バナナ)という名前だけどパイナップルの達人。

【2】刀削麺型
身の部分を持ち、削ぐように皮を落としていきます。半分まで剥き終わるとビニール袋に入れ、果肉を直接触らない状態で残り半分も剥くという、大胆な中にも繊細な心配りが見えます。この型が一番メジャーな剥き方だと思います。

【3】刀削麺型(左手)
【2】と同じ型ですが、左手で包丁を使っています。剥き始める前に、指でさりげなくコンコンと叩いて実の入り方を確認しているところが何ともプロっぽいです。こちらも半分剥いたところでビニール袋にイン。手慣れた包丁さばきのお兄さん、かっこいいぜ。

【4】刀削麺型(流れ重視)
こちらは雲林県・虎尾で撮影。調理用ビニール手袋を使うことで、途中で流れを切ることなく、流れるように皮を剥いていきます。繊細な技が光りますな。

【5】らせん型
嘉義の映像です。効率よく皮を剥くための技術として、りんごを剥くようにらせん状に皮を剥いていきます。最後まで葉の部分を持っていられるので、衛生面にも配慮された型といえるでしょう。簡単にやっているように見えて、熟練の技術であることは間違いありません。お見事!

【6】ワンストップ完結型
鎌のような細い包丁で、皮むきだけでなく、一口サイズに切るところまでやってしまいます。やはり葉の部分を持って行うことで果肉には一切手を触れずに一口サイズの状態まで切ってしまいます。この細いけど無茶苦茶切れる小刀、よく見かけます。パイナップル専用ではなくて、メロン農家さんとかも使っています。プロの道具という感じで憧れるなぁ。

【7】円筒皮残し型
皮を剥き落とすことなくカットパインを完成させてしまう技です。皮をホールドしたまま、包丁と果実を巧みに操り、中の芯を除き、最後に一口サイズになった果肉部分だけをビニール袋に入れるという、これもまたすごい技術。

■台湾では身近で手軽なパイナップル

日本人にはまだあまりなじみがない生の丸ごとパイナップルですが、南国フルーツの本場・台湾では、気軽に食べられる「他殺」サービスが充実しているんですね。
こういう達人を日本のスーパーに派遣してイベント販売とかしたら、皮剥きの手間を敬遠する日本人消費者にも無茶苦茶売れると思うんだけどな。

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台湾パイナップルは南部が産地。今日本に入ってきている台湾パイナップルは、台湾最南部・屏東県のものが多いはずです。写真は嘉義でパイナップルの旬の頃に撮ったもの。「關廟」は台南のパイナップル名産地です。

なお、台湾パイナップルにも色々な品種がありまして、流通量が圧倒的に多いのは「台農17号」通称「金鑽鳳梨」、日本のお店だと「ゴールデンパイン」などと書いてあるものがあるようです。動画では芯を取っているケースがありますが、小ぶりのものなら芯まで甘くて柔らかいので、そのまま全部食べられちゃいます。

また、パイナップルの果肉にはデンプン質が少ないので、バナナなどで行われる追熟(熟す前に収穫し、保管中に糖度を増す)はしません。買った後、いつが食べ頃なのか見きわめる必要はなく、すぐ食べちゃってOKです。

台湾ではパイナップルを「鳳梨」といいます。台湾華語では「フォンリー」ですが、台湾語(閩南語)発音では「オンライ」といい、福がたくさんやってくるという意味の「旺來」と同音のため、縁起物としても人気があります。神様へのお供え物の定番でもあります。

そんな縁起の良い台湾パイナップル、もし見かけたら試してみてはいかがでしょうか。食物繊維とビタミンたっぷり、消化酵素も多く含まれているので肉料理の後にもお勧めですよ。

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