台湾で起きたことのいろいろ、自作「懶人包」

海外に滞在したことで日本についての意識が高まる、あるいはその国との比較が日本を考えるきっかけになることはよくあります。私にとっては台湾がそれです。

以前、台湾の経済ニュース翻訳の仕事をしていました。自分の担当分野や業界について、台湾大手メディア各社のネット記事を毎日3時間以上読み込む→日本語訳するという生活を、4年半続けました。その生活のおかげで、台湾のネット記事を読むのは日常の一部になりました。
(ちなみに作業を始めるのは日本時間で毎日朝5時すぎ=台湾の新聞の朝刊記事がネットに上がるタイミングでした。その頃は朝型生活ができていた・・・)

「忙しい・面倒くさい人向けのまとめ記事」のことを、台湾では「懶人包」と呼びます。今は仕事として台湾ニュースをウォッチしている訳ではないのですが、台湾で何か起こると、関連情報をネットで検索してはEvernoteにどんどんクリップして、時々個人のFacebookに自作「懶人包」としてアップしたりしてきました。
ただ、Facebookのタイムラインだと、日々の投稿に埋もれて流れていってしまうので、今後はnoteの方に載せておこうと思いました。

■メディアを信じない台湾人に学んだメディアリテラシー
ある話題について知ろうとするとき、私は必ず最低でも5社の台湾の報道記事を見比べるようにしています。

極端な言い方をするなら、政治について台湾のメディア界は「中立・公平」とは無縁の状態です。各社の政治的立場はかなり明確で、同じ話題でも取り上げ方や社説の論調が真逆だったりすることはよくあります。

なので、私の台湾の友人たちは決してメディア報道を鵜呑みにはしません。10年以上前、まだメディアリテラシーというものにさほど自覚的でなかった自分にとって、台湾で受けた洗礼はなかなかに強烈でした。
報道は疑ってかかること、その背景にあるものを意識すること、ものごとには多面性があること、自分に都合の良いように(楽なように)単純化しないこと、そういう姿勢もまた、私が台湾を通じて学ばせてもらったことのひとつです。

私は台湾の政治について、どこかひとつの派閥を支持することはしていません。あくまでも台湾の動向を「知る」ことに重きをおいていて、誰かを痛烈に批判したりも、完全に賛同したりもしません。それができるだけの知識や理解がまだ足りませんし、なんだかんだ言っても結局私は「外国人」であって、台湾の政治に参加する立場ではないからです。

政治に限らず、台湾の多様性や複雑さは本当に興味深くて、知れば知るほど日本のことを考えるきっかけにもなります。
同じように台湾に興味を持っている人への、ちょっとした知識のおすそ分けとして自作「懶人包」を時々公開していきます。

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