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【おうちで台湾ごはん】vol.3:蛋餅(ダンビン)~私はチーズダンビンの女~

「台湾旅行の朝ごはんのオススメは?」と訊かれると、結構困る。
台湾には早朝から昼前だけやっている朝ごはん専門店「早餐店」があちこちにある。

私にとっては、
・起き抜けのすっぴん
・部屋着
でぼや~っと行くのが早餐店なので、家の近くに限られる。それでも数軒の選択肢があるので十分だ。

■チーズダンビンに割と一筋10年余

ここ10年余り、私は「チーズダンビンの女」だ。ダンビン(蛋餅)というのは甘くないクレープを卵と重ねて焼いて巻いた料理で、伝統的な朝食のひとつだ。そこにチーズを追加すると「チーズダンビン(起司蛋餅)」。ベーコン、コーン、ハム、ツナなどいろいろなトッピングが可能だ。

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台北で住んでいた部屋のほぼ隣にある「早餐店」では、私が顔を出すと「おはよう、いつものね!」とチーズダンビン(30元:約110円)が出てくる。私が一番よく食べてきたのはここのダンビンだ。

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この店には残念ながら豆乳(豆漿)がないので、豆乳も飲みたい時には部屋から3分のところにあるもう一軒の早餐店に行き、やはりチーズダンビンを食べる。豆乳(微糖)+チーズダンビン(最近は胡椒なし)を頼む。

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一度気に入ったらそれだけ食べられれば満足なタイプで、しかもダンビン(蛋餅)は日本ではなかなか気軽に食べられないので、台湾にいる時の私の朝ごはんは大部分がチーズダンビンだ。でも、早餐店の定番は圧倒的にサンドイッチ(三明治)で、蛋餅がない店も多い。

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取材で台北以外に泊まった時は、ホテルの近くに蛋餅を出す早餐店を先に探しておくことにしている。おいしいよチーズダンビン。大好きだチーズダンビン。

以下、台湾のチーズダンビン(起司蛋餅)の写真をむやみに貼り付けながらお送りします。

■日本の家でも蛋餅食べたい(冷凍品活用編)

大好きなので、日本でも食べたいチーズダンビン。中華スーパーなどで蛋餅の冷凍の皮が入手できることがある。これは台湾の大手食品メーカー・義美(IMEI)のものだ。10枚入り。手軽さでいえばこれ一択。

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フライパンを熱し、
①卵を1個落として箸で崩す。
②冷凍蛋餅皮を(凍ったまま)上からかぶせる。
③卵と皮を一緒にひっくり返す。
④溶けるチーズを散らして巻く。
⑤台湾とろみ醤油(醬油膏)と豆板醤(辣醬)を添える。

外出自粛で冷凍皮を買いに行きにくくなり、通販は送料を考えるとコスパがイマイチ。
じゃあ、自分で作るか、皮。

■蛋餅皮は「水溶き粉タイプ」と「生地タイプ」がある

調べてみると、蛋餅皮のレシピには2種類あった。
1つは、粉を溶いた液体(粉漿)をフライパンに落としてクレープのように焼くもの。
もう1つは、粉をまとめた生地(麵糰)を丸くのばして焼くもの。

家庭で手軽に作れるという「水溶き粉」タイプもよく紹介されているが、私が台湾のお店で食べているのは「生地」タイプだ。蛋餅を「クレープ」と説明したが、実はパイのようなもちっとした弾力があって、普通のクレープとは食感が違う。
(「水溶き粉」タイプは、厳密には「淋餅」という。)

どこかの蛋餅

台湾で食べ慣れているものを食べたいので、今回は中力粉で生地を作る。台湾のレシピだと分量がやたら多いので、材料を計算し直した。

■中力粉で作る「蛋餅(ダンビン)」皮

ネットで台湾のレシピを複数比較し、今回作る分量を割り出したのがこちら。材料は、粉と水(とわずかな塩)だけ。

[6枚分]
●中力粉:250g
●熱湯:125cc
●冷水:50cc
●塩:2.5g

(※今回、打ち粉には片栗粉を使った。小麦粉でもOK。)

蛋餅皮は、熱湯と水で練るタイプの生地だ。店によっては青ネギの小口切りを生地に練り込んであったりするが、今回はプレーンで作った。食べる時に卵の方に小口ねぎを加えてもいい。

【作り方】
①中力粉と塩を入れたボウルに熱湯を入れ、ポロポロになるまで混ぜる。

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②ラップして冷蔵庫で20分休ませる。

③冷水を加え、練ってまとめる。
(表面がどうにもバサつくが気にしない。)

④6等分して丸め、30分休ませる。
(その間に水分が回り、なめらかな感じになる。)

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⑤麺棒で薄く丸く伸ばす。
(すぐ使わない生地は、のばした状態でラップに包んで冷凍できる。)

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あとは、既製品と同じように焼けば蛋餅の完成。「生」の皮はすごく柔らかいので、先に皮の片面を少し焼いた後に卵にかぶせた方が良さそうだ(でないとひっくり返すのが無茶苦茶大変)。

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チーズは、溶けるなら何でもいい。台湾でも、ピザ用の細かいのを使っている店もあれば、スライスチーズを使っているところもある。味がしっかりしているチーズの方が、調味料の味に負けないと思う。

この前の投稿でも書いたが、調味料がちゃんとしてさえいれば「本場の味」になる。台湾とろみ醤油(醬油膏)は必須。豆板醤(辣醬)はお好みの量を付けながら食べる。

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▲これは卵を外側にして巻いたタイプ。台中駅近くの「謝氏早點・豆花專賣店」は朝から豆花が食べられる店 ▼

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■台北の蛋餅を2軒だけ紹介

日本で「チーズタッカルビ」が流行ったように、少し前から台湾にも「チーズたっぷり蛋餅」が出てきている。おしゃれなカフェのブランチとして「映える」ように作られたもので、断面からチーズがダダ漏れ、チーズの海にまみれているという。わざわざ鉄板に載せて供す店もあるとか。

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▲おしゃれカフェのチーズ蛋餅。でもカフェオレより豆乳の方が合う

私は「映え」には興味がない。素朴な蛋餅を、昔ながらの早餐店で食べられれば、それで満足だ。

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▲むしろこういう感じの店がいい。台北・東門の「青島豆漿店」は肉餅が名物で、並んでいるのは肉餅待ちの人 ▼

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安平近く

▲台南・安平近くのお店。皮がもっちり

どこかの蛋餅2

▲皮が薄いタイプ。専用の生地プレス機を使っている店もある

うちの近所の早餐店は、日本の旅行雑誌で紹介されて以来、日本人観光客がこぞって訪れるようになった。通い始めた当初(十数年前)には日本語がまったく通じなかったが、いつの間にかおかみさんが日本語で注文が取れるようになっていた。

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■世界豆漿大王
住所:台北市林森北路310巷27號
営業時間:6:00~11:30/18:00~23:30 無休
https://tabelog.com/taiwan/A5403/A540313/54000604/

それから、取材に行く道すがらに見つけたこの店も気に入っている。物静かで穏やかなマスターが手作りした蛋餅は皮が手作りでおいしい。またわざわざ食べに来たいと思ったほどだ。
古い街の中にある新しい店で、お店の前のテーブルには地元のお年寄りが集っていてほっこりする。日本語は通じない。

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■餅太郎手作蛋餅
住所:台北市萬華區西園路一段91號
営業時間:7:00~13:30 月曜休

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蛋餅の皮は簡単に作れておいしい。手作りしてみて気づいたのは、1枚分でもそこそこの量の生地を使っていることだ。だから一皿で十分おなかがいっぱいになる。
次に台湾に行ける時までは自作チーズダンビンで暮らそうと思う。


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