バズワードに踊らされるな。採用PRって結局何?
土足で踏み鳴らすなって思う。PR屋さんだからこそ、PRという言葉に土足で踏み込んだら許せない。本来の言葉の意味を理解せずに、その言葉に群がる人たちが。
2018年12月5日(水)20時~下北沢にある本屋B&Bで開催された「『採用〇〇! イエーイ!』ってダサくない? 人事はどこまで『言葉』を消費するのか」に参加してきました。登壇者は、西村創一朗さん(株式会社HARES CEO複業研究家)、菅原弘暁さん(株式会社PR Table取締役・共同創業者)、寺口浩大さん(株式会社ワンキャリア経営企画室・採用)のお三方。誰がどの言葉を発したか、記憶が曖昧なので、自分の言葉ではない言葉はnote機能の【"○○"】で表示します…。自分の学びの整理のため、自由気ままに書いていきます。乱文ご了承くださいませ…!
【開催背景】膿を出して生み出そうw
なんだか、ZOZO田端さんと、NPO法人ほっとプラス藤田さんの公開討論のような感じを、イメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。Twitter上で「採用PR」という言葉が乱立してきたところで、お言葉警察の菅原さんが事情聴取を始めたので、これリアルな場所でやりませんか?ということが開催背景となったようです(ざっくりですみません(汗) 過去のTwitter遡ってたのですが、色々熱い想いを発信している方々が多くて、紹介しきれないー!!となってました。)
あれこれ思ってる膿みを、今日ここで吐き出して、2019年良い年にしましょう!と寺口さんもおっしゃってました。ちなみに、Twitter上ではこんなやりとりが開催前にありました◎
そもそもPRとは?
お恥ずかしながら、私は最近までPRって広告や宣伝のことだと思ってました(恥...) PRはPublic Relationsの略であり、そのPRは大きく下記5つの領域に分けられているそうです。
カスタマー・リレーションズ/Customer Relations
エンプロイー・リレーションズ/Employee Relations
インベスター・リレーションズ/Invester Relations
ガバメント・リレーションズ/Government Relations
コミュニティ・リレーションズ/Community Relations
▼引用(いまさら聞けない「PRの基本」)
http://blog.pr-table.com/pr_glossaries/
「採用PR」という言葉が広まると、Public Relationsの意味を理解していない人たちが、採用では広報活動・宣伝活動を頑張れば良いんだ!と誤解してしまう危機感から、警笛を鳴らしたのが、菅原さんです。
では、なぜHRマーケターとして活動している西村さんは、採用PRという言葉を選んだのでしょうか。
加えてイベントでは、こんなこともおっしゃっていました。
採用担当は、目標採用人数へのコミットが求められている現実がある。関係構築が大切だって伝える時に、合理的に説明する武器が必要だなと感じたので、採用という言葉にPRという言葉を繋げた。
そこに対しての、菅原さんのご意見は...
採用PRって言葉にしないと、採用担当が響かないってことが問題。採用って言葉がついていないと、情報を取りにいかないってことは、情報感度が低い。ビジネスパーソンとしてのリテラシーが低い。
うう…私の心にも突き刺さりました。現に私も「採用」という言葉がついているので、今の仕事に活かせる部分もあるかなと思ってイベントに参加した身なので。自分に関係ないことしか知ろうとしない、短絡的な人間からは脱皮せねばと、今心に誓いました。
結局は関係作りであり、組織作りでもある
西村さんはリクルートキャリア時代に、リファラル採用という概念に出会ってから、思考が変わったそうです。
リファラルに出会って変わった。社員に嘘は通用しない。自社の課題に本気で向き合って、エンゲージメントを高めていかないと本当にダメになる。PRは、いかに自分をうまく見せるかって思っていたけれど、全く違う。「うちの会社、いい会社だから」ってことを社員に無理やり言わせているのではなくて、本音で社員が言っている状況をいかに作るかってことが、本当の人事の役割だと思う。
採用PRに取り組むということは、自社の社員に自分たちの会社のファンになってもらうために、会社づくりを本気で考え抜いて取り組むということにも繋がる。
そこに対しての菅原さんは…
PRって言葉を選んでもらえたのは嬉しかったけれど、それってEmployee Relationsのことで、別に「採用PR」って新たに言葉を作らなくても良いわけで・・・
ちゃんと言葉の意味を理解して、言葉を咀嚼してから、言葉を使わなければいけないなと、お言葉警察のお言葉に反省しっぱなしの私でした。言葉の歴史や背景、成り立ちを知らずに、言葉を使うことほど、罪なものはない。その言葉を大切にしてきた方々に、失礼にあたる。もし言葉の意味を理解しようとしても、しきれない状況であれば、せめて、リスペクトして使わねば、、、そういう気持ちになりました。だからこのイベントのタイトル「言葉を消費する」ということなんだなと、このやりとりを生で見て、ようやく腹落ち。(遅い...(*´ー`*)))
学生のお言葉の衝撃度
もともと採用PRという言葉が出てきたのも、採用PRに特化したWebメディア「CO-NECTAR(コネクター)」が登場したからという背景もありました。
イベントの序盤には、CO-NECTER編集長の菅大輔さんにマイクを渡されるシーンも。
これだけSNS等のメディアが一般的になってきていると、双方向のコミュニケーションの場だから、嘘ついたら刺される。社員満足度高いですって記事には書いてあっても、現場の社員がそう思ってなかったら、現場とのリレーションが崩れる。本来私たちがやりたいことは、良い企業に良い人を集めること。
ふむふむ。。。その後にマイクを渡された学生の言葉では...
自社の採用HP・リクナビ・マイナビとかの就職メディアに載っている言葉と、Vorkersに載っているリアルな声に乖離があると、不安に思う。
いやぁー、、、、このリアルな言葉にはズドーーーンとしました。もう嘘をついたり、誤魔化しが通用する時代ではなくなったのだな、と。そして、学生がその視点を既に持っていることに驚きと反省と。(今回反省しかしてない..(;ω;))学生だからわからない(バレない)だろうと考えている大人がいるのであれば、その感覚は今すぐ捨てたほうが良いと思います。私たちより、よっぽど学生の方が情報を疑う力を備えているかもしれない時代なのです。キレイごとを言うのは、もうやめましょう。
良い人に思われたいなら良い人になるしかないし、誠実って思われたいなら、誠実だって思われるように行動するしかない。
これは、会社だって同じ。社員にとって良い会社と思われたいなら、上辺の言葉だけではなくて、改革をしなければいけない。問題点を感じているのならば、それを隠すのではなくて、事実として伝えた方がよっぽど好印象だと思うのです。だって全てにおいて完璧な会社なんてないのは、もう学生もわかり始めているし、どこかで働いたことがある転職活動者だってわかっているのだから。
私が転職活動してる中で、自社の課題を「説明責任だから」と包み隠さず教えてくれた会社があって、逆に好印象を受けたので、ホント自社の課題を赤裸々に伝えた方が絶対良いと思います!!だって、結局変なところを美化して伝えて、入って見て違ったってギャップを生むことが、早期退職にも繋がるし、悪い評判が広がって悪循環だと思うからです。(急に熱くなってすみせん!!汗)
採用活動において、広告や宣伝の時にキレイごとを並べても、事実がバレてしまう時代なのだから、嘘をつくのはもう厳しい環境になってきてました。もちろん、企業のことを知ってもらう機会としての、広報活動は大切です。だけど、それだけじゃ限界の時代がきているのです。様々な方と真摯に関係構築をしていく先に、企業としての採用活動がうまくいく時代に突入しているのだと思いました。
そして、言葉を使う時に、わかったようにならない。わからないなら、わからないと素直に伝えて、その道のプロフェッショナルな方々に教えを乞えるように、常に謙虚に生きてきいきたいと思ったのでした。
おしまい。
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