柳沢秀行さん → 桜井敏生への質問 (補足)
補足 ・モデルについて
モデルを前に 粘土で肉付けがしっかりできたら理想だけど、モデル代そんなに払えないからね、、、。1時間を休みながらでもやってくれたら、いいほうかな。それと、完全に見たまま作ったら、完全のコピーになってしまう。それは僕には面白くない。僕が感じたものを造るのだから。
だから自分でやるんだけど、どうしても目頭がどうもわからなくなって、みせてもらったりしたね。
僕は写真を撮るのも好きだったんだけど、直接見えるものを撮るよりも、描く方が惹かれたね。報道写真とか、ドキッとさせられいいなーと思うこともあるけれど、それって写真そのものだけでなく、政治や社会情勢とかいろんなものが噛み合って評価されるわけでしょ。
ケイコやユウコも嫌な経験あると思うけど、我慢してモデルしてもらったよね。大抵、みんなモデルになってもらうこと嫌がれるしね。苦労した。
・セメントの作品について
ほとんどの作品は、粘土—石膏—セメント。90%ぐらいはそのまま。手をつけていない。
結構みんなは、それぞれの工程を職人さんに頼んだりして違う人が関わっているけど、僕は全部自分でやってきているから、細かい部分もセメントにできるのかもね。
石、木、石膏、テラコッタ、とにかくどの素材というよりは、山では石、家にいる時は、粘土いじり、木彫、石膏の型作り、、、という感じ。時間があれば絵を描いたりね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーユウコの撮ってくれた写真、これもきちんと名前書いた方がいいよ。何気なくこうやって顔(作品)を撮っているけど、なかなか撮れるもんでもないよ。アフリカ芸術とかあるでしょ。綺麗に撮りすぎて、作品から離れちゃっていることあると思うんだよね。
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具象は具象でもちろんいい作品は沢山あるし、僕もスケッチをするし、大切に思っている。でも、リアルに表現するということは、限りがある。僕は、「限り」を超えた広がりを出したい。
2020.01.28 桜井敏生 / 書き起こし 桜井由子