あなたと雨
雨が歌う。
あなたはまだ隣にいる。背中に触れてみる。
私、これでいいのかな。
昨日久しぶりに会いに行って、近くの定食屋さんでオススメの生姜焼きを食べた。いつものBARでよくわからない味のお酒を飲んだ。疲れていたから2杯で酔った。
曇り空、じわりと汗が滲んだ。
あなたの手はいつも優しい。けど、なぜか少し悲しみを帯びていて熱い。いつもの夜。私は目を閉じて受け入れる。いつものこと。
明け方太ももは冷たく、あなたの手が触れると夢から覚める。仕事……、休みだ。手と手が触れ合う。耳元に息がかかる。いつもの朝。
いつも、いつも。願っていたこと。
あなたを好きになりたい。あなたを満たしてあげたい。あなたの不安を消したい。あなたに熱をあげたい。
あなたが1番なんて、嘘をつけない。
雨はまだ泣いている。
いつもより強く抱きしめられて、私は、私は。
雨が歌う。
あなたの胸で泣く。
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