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お願い

わかった。エロスが消えたんだ。

飽きていたのは描きながら知っていた。心ここにあらず、と気づかれたくなくて、本当はもっと描けるのにやめた。

あなたは手に入らないんだもの。何度もアピールしたけど、ことごとく跳ね返されたわ。最後の日は悔しさと虚しさでしばらく閉じこもってしまった。あの頬に触れたかっただけなのに。

自分勝手、と言われそう。でも距離は考えて動くのよ。20代の頃のように無茶しないわ。でもそれが、満たされない、何か足りないという飽きにつながっているのね。

これからどうしようかしら。あきらめることを知った私は、以前のようにパワーがない。それを補うために自然に触れている気がする。

バレちゃしょうがないわね。
若い子の風を受けるシャツの背中にときめくこともなくなったし。ガソリンスタンドのお兄さんと目が合っても、恥ずかしくて目を逸らすこともない。

ないないづくしの私、叶わなくてもせめて愛することができれば、色が戻ってくるような気がする。何を望んで何を叶えたいのか。

こうなったら数年ぶりに七夕のお願い書いてみようかな。またエロスに会えますようにと。

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