乾いたバラ
カサカサに乾いたバラの葉っぱが
カラカラに渇いた心の砂漠を
カラリと転がる。
軽やかに飛んで
川を目指して
カラスが鳴く。
加減のできない男。
風が吹くとまた出て行く。
格好悪くても
彼の地を目指して
かかとを地面につけながら
傘を杖代わりにして。
ガラリとドアが開く。
学校帰りの大きな子どもが
ガラス越しにこちらを見る。
肩には背負えないランドセル。
かろうじて届く頭に手をやり
髪の毛に触れた。
感触はあの人のものに似ている。
カッカッカッと笑う豪快な男。
帰って来てほしい。
カラスがまた飛び立った。
影が重なる。
覚悟を決める。
か細い心に水を満たす。
渇いたバラに色が宿る。
2022/2/21 言葉遊び「か」
2022/4/8 修正投稿