見出し画像

チェンナイ観光 l 歴史を感じる Fort Museum (要塞博物館)とGeorge Town (ジョージタウン)

今日はチェンナイの北側にあるFort St. George Museum とGeorge  townへ。

イギリスの植民地時代、チェンナイ港に出入りする商船相手にインド人商人たちが町を作った。それがジョージタウンである。1911年に当時のイギリス国王ジョージ5世が訪れたことからこの名前がつけられた。
(地球の歩き方 インド 2020-2021より)

行く道でマリーナビーチ沿いのチェンナイモニュメントを通るのだが、
隣に馬が、、!?
三度見くらいした。馬が何かを祈ってる。

シャツを着た馬が現れた

後からわかったのだが、馬の像はチェンナイで行われるチェスイベントの一貫のようだ。


さて、まずは Fort St. George (セント・ジョージ砦)に入った。

この一帯は政府関係の施設が多いため、入場する際に名前、現住所、パスポート番号を書かされる。
どこから来たのか聞かれ、荷物チェックもあるが、そこまで厳しくは見ていない。

セキュリティーを抜けると、インドの喧騒から逃れて、異国の景色が拡がる。
しかし至るところにゴミが散らかっているのは、やはりインドだなと。


白い建物、薄緑の芝生、堀が目に新鮮。しかしここはインド、堀の底はゴミだらけである。


セント・ジョージ砦はイギリスが南インドの植民地支配を始めた際に基地となった場所である。

1639年、東インド会社がジョージタウンの南に商館を建て、そこを守る城塞の建築が始まった。
18世紀半ばにフランス軍との戦闘があり、その時に使われた大砲などが残っている。

白いコロニアル様式の建物と大砲。戦闘の歴史を感じる。


ここを訪れる際は、イギリス東インド会社のインド進出について歴史を復習してから行くと、とても興味深く鑑賞できると思う。


時代による砦の変遷が描かれている。今は川の流れが変わっていて面白い。
セントジョージ砦のミニチュア模型

Fort Museum (要塞博物館)には、軍服や刀や銃など植民地時代の武器の展示、イギリスの王族や現地の支配者層の肖像画が飾られており、見どころ満点である。

肖像画の部屋には、イギリス統治時代の歴代王、提督、ビクトリア女王やジョージ5世の肖像画も飾られていた。英語のキャプションで人物の人生を説明してくれているので、世界史好きにはこの部屋だけでもかなり楽しい。

当時の武器やコインなどが並んでいる
肖像画の部屋には長居した


この博物館冷房はないのだが、窓が大きく、天井には大量のファンが回っているので、心地よい風が入ってきて気持ちがいい。

たくさんのファンのおかげでエアコンがなくても意外と快適。見えにくいが高速で回っている。

3階は閉鎖中で行けなかった。ここは英仏の戦争の展示になっており、有名な旗などが飾られているとのこと。見たかった。残念。。



博物館から出て敷地を歩くと、お昼時だったからかたくさんの職員が外を歩いていた。制服をパリッと着こなしているインド人はかっこいい。基本的に皆顔が小さく足が長いんだと思う。

セントジョージ砦内は今は政府関係の施設があり、たくさんの人が働いている。


少し歩くと、インド初の英国国教会であるSt.Mary’s Church セントメアリーズ教会がある。


静かで落ち着いた空間。
セントメアリーズ教会
窓から望む緑が美しい。

ちなみにこの教会では、のちのプラッシーの戦いで活躍したイギリス将校ロバート・クライブや、イギリス東インド会社総督エリフ・イエール(イエール大学の創始者)が結婚式を挙げている。

インド人口の2%がクリスチャンなのだそうだ。


教会で一息ついたあと、昼食をとりにジョージタウンへ。

ジョージタウン。この界隈はレストランが軒を連ねている。写真左手前のビリヤニレストランで昼食をとった。

食事をしたレストランは、Dindigul Thalappakatti 
1957年創設の老舗とのこと。由緒あるビリヤニを提供しているとウェイターさんが説明してくれた。価格はかなり高めだが、恰幅のよいインド人家族が続々と入ってきた。富裕層に人気のお店なんだろう。

1時に入店したときは1組しかお客がいなかったが、帰るときには満員に近かった。
初ビリヤニ。マトンがやわらかく塩気もちょうどよく、脂っこくなくて美味しかった。マトンビリヤニはboneless が食べやすくておすすめ。右上のチキンカレーはスパイシーなのを勧められて頼んだがやっぱり辛くて口がヒリヒリした。


食事のあとは、ジョージタウンを散策した。

大通りは車とバイクがやかましくて、路面店も露店も汚くて、人は多くて、大変な賑わいだった。
これこそ私が渡印前に持っていたインドのイメージだ。


活気で溢れている
犬や鶏もたくさん見かけた

大通りに対し垂直に走る小道がいくつかあるのだが、
その中で花ばかり売っているフラワーマーケットがあった。

ここに入ると東京の満員電車のような密度で、すれ違う人と肌が擦れ合うように歩いていく。

両側とも花売りばかりの商店街

花売りは怒声のような大声を出しながら、客と言い合いをしている。
値段交渉をしているようだ。

色鮮やかな花がたくさん積んである
茎はほとんど切られた状態で売っている


日本でいう花屋だと、茎がついた状態で花瓶に生けられるように売っているのが普通だが、インドでの花売りは茎をぎりぎりで切り離してほぼ花弁だけにして売っている。
こんなにたくさん何に使うのだろうか。。

ドライバーに聞いたところ、神様へ供物に使うことが多いらしい。
このマーケットで買ったものを、さらに別のところで売ったりするらしい。なるほど、問屋街だったということか。だから大量に購入したり大声で価格交渉をしていたのだ。

インドの活気を直接肌で感じられた。きっとチェンナイ開港時から、この活気と商いで生活を営んできたのだろう。


ちなみにこの賑わいの一角に、赤れんがの重厚なイスラム風建築がある。マドラス高等裁判所である。道路を挟んで向かい側の喧騒とは対照的で、異世界感がある。

ひときわ目を引く赤色の建物。



今日は久しぶりにずっと晴れていて暑く、外を長時間歩いたので汗だくになった。

かねてから行きたいと思っていたジェラート屋 Les Amis に寄って帰ることにした。

Les Amis 店内。入り口を入ると花屋になっている。ここは茎のついた花瓶に飾れる花が売っていて、日本の花屋と作りが似ている。インド人女性がブーケでセルフィーを撮っていた。


閑静な住宅街にある人気店で、入り口は花屋になっている。1階でアイスとジェラート、2階でケーキとコーヒーを提供している。

普通に美味しそうなアイス
ジェラートの種類も豊富である
2階。若者と家族連れで賑わっている。

カフェスペースは1階2階ともにあり、1階はジェラートに並ぶ客で混んでいるので2階の方が落ち着ける。
2階もテーブル席は満席で、コーヒーブースのカウンター席だけ空いていた。

静かでとても過ごしやすかった。コーヒーを入れてくれる店員さんに質問もしやすいのでカウンター席は良い。

2階奥の静かなカウンター席
もはや全くインドを感じない空間である。
おすすめはマンゴージェラート、疲れた体にしみる。



博物館とジョージタウンを見て周り、
普段気付かない
チェンナイの歴史を感じられた良い1日だった。

ジョージタウンとは対照的に、
Les Amis 周辺は清潔で現代的なカフェやショップが多い。
客層も若く皆スタイリッシュで、サリーを来た人はひとりもいない。

今後インドが経済的にもっと豊かになってくると、こういう店が各地に増え、ジョージタウンのような場所はいずれなくなるのだろうか。




帰り道、家のそばにもチェス大会宣伝中の馬がいた







いいなと思ったら応援しよう!