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なぜ、障害者雇用が社内でうまくいかないのか
障害者雇用を担当している方と話をすると、
「うちの会社では、障害者雇用への理解がないんです。」
と言われることがよくあります。
はじめから障害者雇用に理解のある会社なんて、
私は存在しないような気がします。
今、障害者雇用に理解がある会社でも、
始めた頃の担当者の方は、
きっといろいろな工夫や積み重ねがあって、
ここまで来ているはずですし、
実際に、立ち上げに関わった方たちは、
それなりの取り組みをかなりしてきています。
ただ、この辺のことは、個人の受け取り方も違って、
そもそも立ち上げに関わる人たちは、
突き詰めて何かをやることが好きな方が多かったり、
ものごとをポジティブに考える人で、
いろいろ調べて、自分で実際に実践することが好きなので、
他の人から見るとすごく大変と思われるようなことでも、
実際には、何でもないようにこなしていることが多かったりします。
そのため、ご本人に聞くと、「たいしたことしていない」
という反応が返ってくることも多くあります。
ですから、それを言葉のまま受け止めるのは、ある意味危険で、
実際にどういうことを、どれくらいの期間してきたのかを
聞くことは、とっても大事だと思います。
私が見る限りでは、
障害者雇用が社内でうまくいかない理由の大きな原因になっていることに、
障害者雇用を担当するする人自身のマインドが
大きく関わっていると感じます。
障害者雇用の担当をする人に、
「なぜ、あなたの会社は障害者雇用をするのですか」
と、聞くと、
返ってくる答えとしてダントツに多いのが、
「法律で障害者雇用をすることが決まっているから。」
「雇用率が不足しているから」
「障害者雇用納付金を支払いたくないから。」
「社名公表になりそうだから。」
というように、ルールに従うために、
障害者雇用をしなければならないと考えている人がほとんどです。
でも、ちょっと考えてみてほしいのですが、
障害者雇用を社内で推進していく人が、このような考え方だったら、
他の社内の人は、障害者雇用に理解を示そう、
協力しようという気持ちになりにくいと思うのです。
また、直接関わりのない社員にとっては、
自分の仕事で忙しければ、
残念ながら、ほとんど関心のないことになっているかもしれません。
そのような状況の中で、
障害者雇用の研修が、年に1回か2回目にしたところで、
ほとんど、その人の記憶には残らないでしょう。
では、どうしたらよいのか。
それは、まず、障害者雇用を担当する人が、
なぜ、自分の会社では障害者雇用をするのかを、
他の社員の人が納得できるような説明をすることが必要だと思います。
「障害者雇用の理解が進まない・・・」と思う方は、
一度、じっくりそのことを考えてみていただきたいと思います。