マイ・ストーリー エピソード3
【1歳の娘が乳幼児摂食障害という診断】
やりたいこと探しをしまくっていた私が、
40歳を過ぎてから自分の使命に気づき、
自分の人生に遠慮なく、いきいきと生きられるようになるまで。
●1歳過ぎても、本当に母乳しか飲まない娘。
ミルクも、水も、お茶も、もちろん離乳食も、
全く飲みません&食べません。
本当に、母乳だけ。
上の子もいるし、まあいつか食べるでしょ。
そんな気持ちでいましたが、
だんだんと体重が減り始めてしまいます。
そして、ついに摂食外来へ案内されます。
乳幼児で摂食!?
と慣れない言葉に驚きを隠せませんでしたが、
それでも、まあなんとかなるでしょ、という気持ち。
摂食外来では、離乳食をあげている様子を見てくださるのですが、
ただただ娘はプイっと顔を横に向けて、食べない&飲まないので、
毎回なんの進展もありません。
ちなみに、娘は特に基礎疾患はありませんでしたが、
発達はとても緩やかでのんびりしており、
1歳3ヶ月になってもまだ歩いておらず、
ようやくつかまり立ちといった感じ。
(その後、歩き始めたのは1歳9ヶ月でした)
だんだんと私も、これはただ事じゃないのかも・・・
という感じになってきた頃、
お医者さんから完全看護での入院を勧めまれました。
つまり、断乳をして私がいない状態を作り、
病院側が離乳食に挑戦してくれると。
私の顔を見ると母乳を思い出すから、
私は1日1時間くらい来てもらえればで良いですと。
切なくなるような提案でしたが、
もう何か変化が起こるのであればと、
藁をもすがる気持ちで、承諾しました。
ただ、それでもうまくいかない時は、
鼻から胃まで管を入れ、人の手によって栄養剤を注入する、
経管栄養というスタイルになるかも、
という話がありましたが、
その時はそれほど気に留めていませんでした。
●娘の入院
最初の入院は1歳4ヶ月の頃に約3週間。
もちろん、入院したからといってすぐに
飲んだり食べたりするわけではありません。
初日に早速脱水症状を起こし、点滴。
それでも水分も食べ物も取らないので、
翌日にはもう経管栄養となってしまいました。
慣れるまでは、鼻から注入された管を抜かないように、
手にはミトンをはめて。。
娘の様子を見ると、胸が張り裂けそうな気持ちでした。
でも、小児病棟には、いろんなお子さんがいらっしゃるので、
ただ食べないというだけで、本人が苦しんでいるわけでもないのに
入院させてもらっていて、とても申し訳ない気持ちもありました。
人を変え、あの手この手で挑戦しても
頑なに食べない娘。
2週間ほど経った頃、看護師さんから、
棒のついた飴を持ってきてもらえませんか?
という提案がありました。
舐めた瞬間、明らかに甘さや美味しさが感じられる。
おもちゃを口にするという行為もずっとない娘だったので、
上手くいくかわかりませんでしたが、
とりあえずなんでもやってみます。
何度か挑戦しても、興味がなさそうでしたが、
ある日、チュッパチャップスを口にする息子を見ている娘に、
同じものを差し出してみたのです。
すると・・・
舐めました。
それが、1歳過ぎて初めて食べ物を口に入れた瞬間。
飴が結構小さくなるまで、舐め続けました。
その時の私には、希望の光が差し込んできたようでした。
そして、翌日の食事の時間に、
突然食べ始めたんです。幼児食をペースト状にしたものを。
ビックリしましたが、飛び上がるほど嬉しかったです!
それから、入院中はペースト状の食事を取ることが
できるようになってきましたが、
必要な水分はそれほど取れないので、経管栄養は続きます。
私が自分で管の抜き差し、シリンジからの注入が
出来るようにレクチャーを受け、退院が決まりました。
●今を楽しめない育児から、ギフトに気づくまで
退院後、しばらくは自宅でもペースト状の食事を
食べてくれましたが、また突然食べなくなりました。
そして、癇癪を起こすと自分の髪の毛を抜くという行動をおこしていた娘。
管を入れているだけではなく、頭も部分的にはげていて
(後に掴めないほど短くして、癖を取り除くことに成功)、
正直外に出たくなかったんです。
誰かに見られると、どんな風に思われるかなとか、
息子の送迎では息子のお友達が、
管を見て「どうしてこれをつけてるの?」
と悪気なく聞いてくる。
周りの目を気にしてばかりいました。
外に行けば、美味しそうにご飯を食べている同じくらいの子供達。
なんでうちの娘は食べないんだろう。
幼稚園に行けるのかな、学校に行けるのかな。
そして、発達など色々なことが心配になり・・・
先の見えない不安で、暗闇の中にいるような気持ちでした。
でもふと、周りを見ずに娘だけを見ていると、
天真爛漫で、とびきりの笑顔。
そして、美味しそうに、その栄養ドリンクをゴクゴク飲むんですよね。
目を瞑って、味わうようにして。
まるで、「私はとっても幸せだけど、何か問題ある?」 と言われているようでした。
娘のこの出来事が、今となっては大きなギフトだった思えます。
誰かと比べる必要はない。
自分が感じる幸せを大切にして良い。
そんなメッセージを一生懸命伝えてくれていました。
娘が食べるようになったのは3歳の誕生日前後から。
そして、私の転機へ。
エピソード4に続きます。
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