私小説をファンタジーに還元したストーリー。大理石の幻獣に吹き込まれた命。気鋭の彫刻作家佐野藍の個展『ANIMA』を訪れた。
『ネバーエンディング・ストーリー』で見たファルコンの背中に乗りたい…と一度は思ったことがあるはず。
映画や漫画の中のファンタジーであったドラゴン。それが今私に目を向け、生温かい体温で静かに鼻を鳴らしている。
これが大理石のドラゴンとの出会いであり、彫刻家の佐野藍さんとの出会いである。
佐野さんは幼い頃庭でトカゲと、未知との遭遇をしたことがきっかけで(恐竜と思ったらしい)、幻獣をモチーフとした大理石の制作を続けている。多種多様な幻獣を知っているのは、お母様の大学時代の専攻