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" コファシリ" がファシリテーションの実力をつける最速の実践である理由 (基礎編)


私はファシリテーターの中でも、ファシリテーションを2人で行う、つまりコファシリ (Co-facilitation)* をすることが多いタイプです。これまでペアを組んだファシリテーターの人はざっと数えて15人以上。 しかもその内10人以上が、連続セッションなどでペアを組んだため、少なくとも複数回、半年以上はペアで仕事をしていたことがあり、かなりチームビルディングも出来ていたペアだったと言えます。


*ファシリテーターとアシスタントがいる、ではなく2人とも対等なファシリテーターで本当に2人で進めることを指します。


様々な人とペアを組んでみて、自分の強み・弱みも分かりましたし、自分が何をこだわっているのか、どんなことを大切にしているのかが自然に分かるようになりました。なので、ファシリテーターとして実力をつけたい方がいたら、同じレベルでコミットしてくれる人を見つけ、コファシリに挑戦してみる、を強くオススメします。


そこで、今回から基礎編・応用編の2度に分けて、コファシリすることのメリット、を語っていきたいと思います。完全にファシリテーター向けの記事ですが、仕事で誰かと組んで働いている人などは読んでみると役立つ…かもしれません。


このnoteは基礎編で、コファシリすると話し合いの設計にこんなメリットがある!というのを伝えていきます。


ペアで設計することは、効率が良い

まず、ファシリテーターの行うことの1つに場の設計、プログラムデザインだと思いますが、これはペアで設計した方が圧倒的に効率が良いです。これは、本当にもう、断言! (組んだ人に相当実力差がある場合は別ですが)


私は、1人で完全にやりたいことがある場合は、1人で設計しますがほとんどの場はペアで設計しています。何と言っても、お互いファシリテーターなので「ここの意図は?」「何でこっちの方が良いと思うの?」「他の可能性はあるかな?」と問いかけしあいながら進めることができる。


そうすると自然と1人で考えているよりも思考が深くなるのが早く、効率が良いです。 ペアで考えるとなると、より時間がかかるんじゃないかと思いますよね? でも、自問自答よりも圧倒的に人に問いかけてもらう方が効率が良いんですよ。 


他にも、実際のプログラムで使う問いかけなどをペアのファシリテーターにしてもらうことで参加者のイメージがしやすくなったり、何だったら当日の進行や、説明の仕方を自分が軽く行なって「聞いてみてどう?分かりやすかった??」と確認することもあります。



複数視点での設計することのメリット

設計の効率が良くなる要因の1つとも言えますが、やはり設計する際に複数の視点があるとプログラムの質が高くなりますし、他の人と一緒に設計することで自分の癖が分かります。


私は自分が根っからの内省好きなので、対話の場の設計をするときも「1人で考える時間」を長く取ろうとする傾向があるのですが、より外向的な、「もっといろんな人と話したい!」というタイプの人とペアを組むと「いや!もうちょっとグループサイズを色々変更して話す回数を増やそうよ」とか、「1人で考えるのは考えづらい人もいるから先に他の人と話をしてもらって、それから自分の考えをまとめた方がいいと思う」という提案をされたりします。


参加者は自分と同じタイプの人が参加するとは限りません。もちろん自分の癖や設計の傾向がハマる参加者もいるはずですが、全員がそうとは限らない。そう考えると、タイプの違うファシリテーターが提案してくれる設計や参加者に関わるポイントは自分にとって宝だったりします。


つまり、2人で設計するプロセスを得ることでファシリテーターとして多くの手数を学ぶことができます。

さらに、私は企画したプログラムの内容をコファシリの人と一緒に一度やってみて、参加者の視点からプログラムをブラッシュアップする、ということもやっています。


この時も1人でやってみるよりも一緒にやってみる方が圧倒的にリアリティが高くなり、参加者の視点、気持ちを体感しやすくなるため、結果的にプログラムの質が高くなるのです。 (先日、わたしのはたらきを探求するダイアログを主催したのですが、この時もコファシリのパートナーと一度予定していた内容を2人でやってみて、元々考えていた問いかけの順番を変えたりしました。)


(慣れてきたら)   必要な場に応じてペアを選ぶことで効果が倍増

コファシリを何名かと丁寧に実施してみると、「あ、この人とはこういうテーマだと強いな」「この人とならこのテーマが良いかも」ということが分かってきます。


私は、企業研修などで参加者にいろんなタイプがいる場面では外向的なタイプのファシリテーターと組むことが多いですし、現在主催している死をテーマにした場や、個人の内省を扱う場では、私と近い内向的なタイプのファシリテーターと組むことが多いです。


慣れてきたら必要な場に応じて組み合わせを色々変えてみることで、最大の効果をあげることが出来るようになってきます。


信頼的できるパートナーに恵まれたら、場づくりはもっと楽しい

ここまで良いことばかり書いてきましたけど、もちろんこれらは信頼できるパートナーが見つかった場合です。ペアで実施となると相手に不信感があると、それは当日の参加者に伝わってしまうので、1人で実施するよりマイナスになります。(まぁ、そもそもそんな人組まないと思いますけど…)


おすすめなのは、スキルや技術が同じパートナーではなく、テーマに対してとか場づくりのスタンスに対しての情熱が同じレベルの人を選ぶことです。もちろん、スキルも離れすぎていたらダメなのですが、コファシリの良いところはなんと言ってもお互いに問いかけながら進められるところなので、スキルの良し悪しよりも「同じくらいこだわってくれるかどうか」というスタンスや、同じことを大切にしてくれそうか、ということの方が大切だったりします。


次回は上級編として、コファシリだからこそできる、場のホールドをする技術について書いてみたいと思います。



*補足*
コファシリで対話の場の設計をする時には、いつもこちらのnoteに書いたプロセスデザインのステップで話し合いを進めています。 有償ですが、初心者で一気に設計スキルを高めたい方はぜひご覧になってみてください。




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