ヨーロッパの田舎で家を買う話。リノベ編
前回に続いて、
ポルトガルの田舎で家を買った話
ネットでこの家が売り出されているのを見つけ、すぐに連絡して見に行かせてもらうと、その緑あふれるロケーションも可愛らしい家の雰囲気もとても良かったので、すぐに気に入って購入オファーすることに!人生で初めてのマイホームの購入。
ところが、購入にあたって色々と書類のことなどを準備しているうちに、この家にはたくさんの問題がついて来ることが少しずつわかってきた。。そして、どうしてこんなに安い物件だったかも判明。やっぱりこんなに都合がいい話があるわけないものねぇ。
こういうことって本当に実際にその地に住んで、自分で手続きなどを経験してみないとわからないことだらけです。
そのワケといいうのは、こういうことだった。
そもそものこの家があった一帯は、どうやら違法で家を勝手に建てられた地域らしい。「え?どういうこと?全然よくわからない!」と、何度も弁護士さんに説明してもらってわかったことは、
この辺に、誰かが何の許可もなしに勝手に家を建ててしまい、それにならって家を建てる人がどんどん増え、気がついたらちょっとした住宅地域みたいになっていた、という場所らしい。そんなことがあるんだ。
これは何とかしなければいけない!となり、今は区画整理されて、それぞれの家の持ち主が自分達の必要書類や設計図を提出して、市によって許可を得て合法化してきているのだけど、私たちが購入したその家は、その許可がまだ降りていない家だった。それを聞いた時も、なんとなく「じゃあちゃんと手続きして許可をもらったら良いだけでしょう?」と気軽に考えていたけど、その
提出しなければならなかった書類は、それはもう想像を絶する量
で(積み上げたら1メートルくらいの高さになるんじゃないか、、)、お役所の書類仕事のスピードも、これまた想像を絶するのんびりさで、結局は、家の名前の書き換えに、なんと5年もかかってしまった。
でもこれって、他の国に住んでいる友人たちに話を聞いても、ヨーロッパあるあるなのではないかと思う。
何はともあれ、書類や手続きのことは置いておいて、家のリノベーションをその間に少しずつ初めることに!
まずは工事をしてくれる地元の職人さんたちを紹介してもらい、細かく部屋を分けていた壁をぶち抜き、低すぎる天井も取り払ってもらった。
その後この家の内装の舵をとって進めてくれたのは、私の夫、雄一氏。彼は、日本で何件もの飲食店を手がけた経験もあるので、その辺の工務店の人よりも、よっぽど腕と経験があるのだ。
こういう時、地元の職人さんたちと仲良くすることは、本当に大切なことである。ここで長く暮らしてきているから、この家の歴史やご近所さんの事情、この辺に生息している植物のことまでなんでも知っていて、色々と教えてもらった。
この辺は、休暇や週末を過ごすために家を建てる人が多いので、あまり人影を見ない。または、定年退職してガーデニングや畑をやりながらゆっくりと毎日を過ごしている人たち。それから海外から安くて気候が良い場所を求めて移住してくる人たちなどがいる。とにかく、とてもゆっくりしている。
こんな田舎に住まいを持てることがとても嬉しくて、家の内装をああしよう、こうしよう、と色々相談したり、まだ住める状態ではないけど、週末のたびに訪れ、進み具合を見たり、近所を探索してみたりした。
雄一氏は、なんとこんな模型まで作ってくれました!
今までないに等しかったキッチンを、私の要望で、大容量の、天井が高くてとても素敵な厨房に変身させてくれる予定。
お風呂場も、暗くて狭い、陰気な場所だったのを、ここも壁をぶち抜いてオープンにし、窓も大きくして気持ちの良い空間にしたい。
電気工事士、窓屋さん、大工さん、配管工事屋さん、ガス屋さんなど、色々な人たちとたくさんの交渉や喧嘩をして(笑)、少しずつ進んでいった。私が店で働いている間は、時間の合間をぬっては、雄一氏が家に出向いて、時には泊まりがけで内装の工事を黙々と手がけてくれた。
こんな感じで、できるだけ自分達で考えて、雄一氏がメインでリノベーションを手がけた。
ネットでたまたま見つけたこの物件。
最初は簡単に考えていたけど、書類手続きやリノベ工事を進めるにつれて、問題発生の連続で「これは一体いつか住めるようになるのだろうか、、?」と心配で眠れぬ夜もありましたが、約3年かけて、ついに週末に寝泊まりできるところまで完成しました。
次回はビフォーアフターを紹介します!
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