Mちゃんとの思い出
Mちゃんとは、確か幼稚園から小学校まで一緒だった。
家も近所で、私の家から近い神社の境内でよく遊んだ。
Mちゃんは、ちょっと色黒で、スリムですばしっこい子どもだった。逆に私はちょっと鈍臭かった。
でも、Mちゃんとは気が合ってよく遊んでた。
よく遊んでた神社の境内には、斜めに生えた立派な松の木があった。
そのあまりにも斜めな松の木の枝の途中にくぼみというか空洞みたいな穴があり、小鳥が巣を作っていた。雛が見える。
「可愛い〜♡」
小鳥を近くで見たいね!木が斜めだから登れそう!
などと話し、Mちゃんは少し登ってみた。
スルスルと。
「すごいね!」
「yukoちゃんも登ってよー!」登ろうとしたが、ムリだった。木が滑るし、怖い。
考えたのだが、足がかりがあれば、それを頼りに登れるかも?
木の幹に釘を打っていくのはどうだろう?
そうしたら私でも登れるかも?と、話し、後日材料(釘とか金槌とか)を各自の家から持ち寄りついに決行。
Mちゃんは持ち前の身軽さでスイスイ登りながら釘を打ってくれた。
ついには小鳥のいる巣穴まで到達!
「yukoちゃんも登ってよ〜!」
「うん、登ってみる!」
…、しかし、なかなかこれが難しい!釘が打ってあったって、安定感はほぼないに等しく運動神経ゼロに限りなく近い私には状況は何も変わらない。要は、登れないのだ。
結局、木に釘を残したまま、作戦は終わった。
かわいい小鳥を見れたのはMちゃんだけだった。
その後、釘はしばらく木に残ったままになっていたが、いつの間にか取り除かれていた。(そうだよね)
さらにその後、その松は「◯◯の松」という名勝っぽい扱いになり、立て看板が建てられてた。