【SBR】ジョジョはなぜこんなに面白いのか。
本当に今さらなんだけど、荒木飛呂彦原作『ジョジョの奇妙な冒険』はなぜこんなに面白いのだろうか。
いやいやこいつ何言ってんだ、と思うかもしれない。
私も今、自分でも何を言ってるのかよくわからない。
よくわからないけどとりあえずこのnoteを書いている。
私は『ジョジョの奇妙な冒険』が好きだとよくプロフィールに書いているが、実はまだ全部を読み終わっていない。
それにはのっぴきならない事情があって、「初めて読む」という体験はどうやっても人生に一度しかないから、なんとなく片手間には読めないのだ。じゅうぶんに作品を味わえる状況とコンディションが整っているときに、大事に、ちゃんと読みたいという気持ちが強すぎるあまり、「ジョジョを読む」というのは私の日常の中でやたらハードルが高いアクティビティのひとつになってしまっている(めんどくさすぎる)。
そんな中、重い腰を上げて最近ようやく"第7部"『スティール・ボール・ラン』を読み始めた。
相変わらず、ストーリーの中で起こる出来事の意味がわからなすぎる(褒めてます)。荒木先生の頭の中は一体どうなっているのだろうか。宇宙すぎる。好き。
私が「ジョジョ」にハマったきっかけは、以前もどこかに書いたけど、とあるヴィレッジヴァンガードで見かけた『岸辺露伴は動かない』というジョジョのスピンオフ作品をジャケ買いしてからである。
絵画のような美しくド迫力のカバーイラストと、意味がわからなすぎる内容(?)が凄すぎて、ずぶずぶと世界観に引き込まれた。
つまり、私はこの荒木先生の「絵の迫力」と「意味のわからない内容」(褒めてます!!)がとにかくツボなのだ。
先に断っておくが、この文章にオチはない。ただ自分の脳内をいったん言語化したいがために書いている。
あと念のため、ネタバレを含みます!すっごい序盤までだけど。
今やっと5巻まで読んだところで、全然話が始まったところ…いやもしかしたらまだ始まってもないかもしれない。『スティール・ボール・ラン』は全24巻らしいので、たぶんまだ核心に迫る内容は始まってないと思われる。その段階でもうめっちゃくちゃ面白い。困る。
第7部の舞台は19世紀末のアメリカ、史上初の乗馬による北米大陸横断レースが描かれる。主人公は、ジョニィ・ジョースターという半身不随の元天才騎手。
乗馬レースが舞台なので、場面のほとんどで登場人物が馬に乗って移動したり戦ったりしてるんですね。で、主人公のジョニィは下半身不随なので、戦闘で落馬したときとかは横たわってほふく前進みたいなポーズであることが多い。
つまり、バァア〜ン!みたいな立ち絵がない。ジャイロはあるけどね。でもなんか、コマ割りとか、構図とか、アングルとか、めちゃくちゃ躍動感があって、迫力がもうスゴいんです。いや、もうスゴいとしか言いようがない。語彙消失。ストーリーももちろん面白いし、コマの絵をひとつひとつ追っていくのがとにかく面白い。読み進めているつもりなのに、何回も前のページとか前の巻を読み返してしまう(だから読むのすごい時間がかかるw)。
で、ジョジョといえばの「スタンド能力」だけど、ジョニィのスタンドは爪を回転させて飛ばす(?)みたいなやつなんですよ。
え、地味すぎん!!!?????
主人公のスタンドといえば、スター・プラチナとか、クレイジー・ダイヤモンドとか、フィギュア化されてドォオ〜ン!って飾れるような、つよかっこいいやつだったじゃん。今まで。謎すぎる設定。
いや、だからこそ面白い…!
とはいえまだ5巻だし、ジョニィも自分のスタンド能力に目覚めたばっかりなので、これから成長とか変化していくんだと思うけど・・・
そう、そういうのがあるから、初見の今じゃないと、もうこういう文章書けないんですよね。もう結末まで知っちゃったら、こういうフレッシュな感想を抱けないからw。
で、スタンド能力に目覚めるキャラたちはともかく、乗ってる馬は普通の馬のはずだけど、馬ごと何度も敵に襲われるのに、なぜか馬はいつも無事。もしかしたら怪我の一つくらいはしてるのかもしれないけど、もう走れない、リタイアだ!とはならない。よかった。いや、この先はわからないけど。
ところで、ジャイロのアゴ周りの模様ってどうなってるんだろう。
途中の扉絵で出てきたけど、ジャイロのこの鉄球、「鉄球No.1」と「鉄球No.2」って名前だった。そのままやん!こういうのも地味な驚きポイント。こんなに重要アイテムなのに、いい感じの名前も特につけないそのセンス。良い。逆にいい感じがする。
序盤で鉄を操る相手に1個破壊されちゃったけど、いつの間にかしれっと2個に戻ってた。うわ、大事な鉄球が1個になっちゃった、悲しい…って若干思ってたからよかったw。好き。
ちなみに、ジャイロの愛馬の名前は「ヴァルキリー」。Wikipediaによると、ヴァルキリーとは、「北欧神話に登場し、馬に乗っている複数の女性半神のこと」だそう。へぇ〜
現時点では、ジャイロの生い立ちなどが少しずつ描かれていて、正直ジョニィの主人公らしい活躍はまだあんまりない。こっから"ジョースターらしさ"をどんどん見せていってほしい。
『スティール・ボール・ラン』はこれまでの「ジョジョ」シリーズの世界のパラレルワールドの話だけど、作品のテーマは依然「人間讃歌」だということです。まじで続きが楽しみ。うわぁあ終わってほしくない…!(※とっくに完結してます)(※※なんならその次の第8部もすでに完結しています)
はい。この個人的すぎる時間軸の感想、終わりが見えないのでこの辺にしておきます。
私の中で『スティール・ボール・ラン』は、「絵がとにかく美しい」というイメージが非常に強い作品。他の部のイラストも、もちろん全部美しいんですけどね。
荒木先生の作品集を何冊か持っているけど、その中でも第7部のコミックス表紙や扉絵のイラストは、構図、カラーリング、キャラの表情・・・どれをとっても本当に美しくてかっこよくて、思わず息を呑むほど。もうずーっと眺めていられる。
ジャイロを多めに選んでしまった。何をしていても絵になる男。
馬上の戦闘を想定してか、風になびく長髪と、先が3つくらいに分かれた(?)軽やかなマント、どの角度から見ても絵になる帽子など、外見の造形も美しい。ジョニィとのシルエットの違いも大いに意識されているように思う。
この一番下に載せた文庫版15巻の表紙に採用されているジャイロのイラストがすごく好きなので、だいぶ前に1巻だけ読み始めたときから、DIYで自分のスマホケースに使わせていただきました。
うむ。良い。
読み進めていくうちにだんだん情報量が多くなっていって、さらに読むのが遅くなる現象が起こっています笑。ゆっくり続きを読んでいきたい。
6部まですでにアニメ化されているので、『スティール・ボール・ラン』もそのうちアニメ化されるはず。それまでには完走しなければ!いつになるかわからないけど。
生活の中に、自分しかわからない楽しみがあるというのはいいものです。
私が思う「いい作品」って、漫画でも映画でも小説でも、いったん見終わって身体は自分の普段の生活に戻ったあとも、脳内はまだその作品の世界観と現実をぼんやりと行き来するというか、余韻が長く残るやつだと思うんですね。それって自分の感性に刺さってるってことだと思う。
これからも、そういう作品といっぱい出会えたらいいなと思います。