![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/150616633/rectangle_large_type_2_4f1096ef86dfd4051f3dc02014925b97.png?width=1200)
『劇場版モノノ怪 唐傘』は、全編アトラクションみたいな映画だった
映画館で映画を観るのは、なんと1月ぶり。
もっと観てもいいのでは??と思いつつ、コンスタントにチェックしていないと、今どんな映画が上映されているかを知る機会があまりないんですよね。
そんな感じで、「今はなんか面白そうな映画やってるかな〜」と近くの映画館の上映スケジュールをぼんやり見ていたら、
どーーーん!!
と、圧倒的な存在感を放つ、この派手っっ派手なキービジュアルを発見。
![](https://assets.st-note.com/img/1723545265900-uS8oapicT7.jpg)
いや、かっこよ!!
これはスルーできなかった。誰なんだ!
ジョジョにハマったとき然り、私はとにかくカラフルでポップな色使いのイラストに惹かれがち。そこがいわゆる私の"フェチ"なのかもしれません。いや〜〜〜〜好きですね〜〜〜この現実離れした色鮮やかな感じ。
絵もすごくかわいい!
こうやってキービジュアルで興味を持つことって全然あると思うので、個人的には映画館の上映スケジュールのサイトにはなるべく画像を載せてほしい。情報が「タイトルと上映時間だけ」で、全く知らない作品に興味を持つのはやはり難しい(TOH◯シネマズさんのサイトとかね)。
『モノノ怪(もののけ)』というアニメ
![](https://assets.st-note.com/img/1723560269601-nrjJcfQv4i.png?width=1200)
しかし私はこの作品を全く知りませんでした。調べてみたところ、以前はテレビでアニメシリーズをやっていたらしい。「劇場版」てゆうてますからね。でも、なんかそれ以上の情報があんまり出てこなくて。
そのアニメ版をどこかで見れるかなと検索してみたけど、残念ながら頼みのAmazonプライムでも無料配信はされていなかったので、簡単には見れなさそう。いくら絵柄が好きだからといって、内容を全く知らないアニメーション映画をいきなり観に行っても十分に楽しみきれないだろうしな〜と。
「別に知らなくてもこれはこれで楽しめるからいいじゃん!」という人もいると思いますが、私はせっかく劇場に足を運んで最高の音響と映像環境で映画を体験するなら、できる限りしっかりとその作品を味わいたいと思うタイプです。
特に、こういう"前作"にあたる作品がすでに世に出ている場合は、多少なりともキャラの能力や設定などを基本的には知ってるていで話が進むことも多いので、やっぱり最低限の事前知識はあった方が絶対にいいですよね。なのに、この映画の公式サイトの「作品情報」のセクションを読んでも、いまいちその辺がよくわかりませんでした笑。
と、思っていたら!
なんと、48時間限定で、制作会社さんの公式YouTubeでアニメ版が無料公開されるという情報をキャッチ!
48時間!!短い!!!笑
と思いつつ、もちろん観ましたよ。
こんな機会を逃してはならぬ!ありがて〜〜〜
アニメ版はこの映画とはちょっと雰囲気は異なりますが、びっくりするぐらい全シーンの色使いが独特なカラフルさ満開で、ぐいぐい惹き込まれました。ちょうど気になってたタイミングで配信してくれて、お盆最高〜〜〜〜〜!
全部は観れなかったけど、アニメシリーズのうち4作品を追うことができました。完全に私の好みだったので特に夫には声をかけなかったのですが、アニメを横で見ていて面白かったらしく、映画も一緒に観に行くことになりました。
一度ではなかなか理解しづらい作品
結論、アニメを観ておいてよかったです。
まぁ、アニメを観たからこそ「これは劇場版も観たい!」って盛り上がったのもありますが。
まず、この作品はあまり直接的でない描かれ方がいっぱいされています。はっきりと分かりやすく言葉で説明されている部分ももちろんありますが、どちらかというと比喩的なシーンだったり、何かを示唆するような場面がすごく多い。観終わったあとで、「え、待って、どういうこと…?」となる話もありました。
公式から出ている映画の公開記念イベントなどの動画でも、「たぶん一度観ただけではよくわからない」「いろんな解釈の仕方がある」という前情報があったので、あらかじめそういう心構えで観に行くことができました。途中でえ、よくわからない…ってなるだろうけど、まぁ気にしないでおこう、ってw。
![](https://assets.st-note.com/img/1723560324022-ZMXyaB9LS7.png?width=1200)
また、アニメ版の薬売り(キービジュアルに描かれている主人公)の声は櫻井孝宏さんでしたが、今回の映画版では神谷浩史さんが担当されており、主人公の声が変わっているんですね。
※注)なんとアニメが放送されていたのは2007年頃らしい。17年前!
まるで岸辺露伴のような笑、なんともいえないミステリアスな余裕を感じさせる櫻井さんの声はすごく良かったなと思っていたので、キャスティングの変更は何か理由があるのかなと思いましたが、実は薬売りは64人(!)いて、顕現した「もののけ」に合わせて出現するという設定らしい。
つまり、アニメ版の薬売りと今回の映画版の薬売りは、同じような見た目をしているけど別の人なんだそうです。だから性格も違うし、持っている「退魔の剣」の種類も違うと。
![](https://assets.st-note.com/img/1723560332891-fzjmQMWKFU.png?width=1200)
17年経ったから今の時代に合わせて大人の事情でリニューアルされちゃったというよりは、「アニメ版の薬売りが仮面ライダー1号だったとしたら、今回の劇場版は仮面ライダー2号」である、ということらしいです。なるほど。
映画の見どころ
アニメ版も独特の世界観がすごく面白いなと思いましたが、劇場版はさすが「映画館で上映される前提で、今の時代に作られた超ハイクオリティ作品!!」という感じで、かなりパワーアップしていました。
作画コストどれだけ〜〜〜っていうくらい、全部のシーンが画的に見どころでした笑。もう、ずーーーーーーっとカラフル。
大奥が舞台なので、時代的に浮世絵のような世界なのに、すっごい彩度高めのギラっギラな画面。90分ずっと派手なので、もしかしたら疲れちゃう人もいるかもしれません。でもどんどん場面が切り替わるアトラクションに乗ってるみたいで、私はすごく楽しかったです。
![](https://assets.st-note.com/img/1723560406858-bHlWP8A2aF.png?width=1200)
あと、最初にも書きましたが、絵柄がすごく好き。
安野モヨコさんの漫画のような、スタイリッシュな少女マンガみたいな絵柄が可愛くて、ずっと楽しく見ていられる。輪郭線が青っぽかったり、全編に施された和紙のようなテクスチャもアニメではあまり見たことのないような表現で、ずっと飽きずに画面を追っていられました。
![](https://assets.st-note.com/img/1723560418336-Mtue647zjd.png?width=1200)
そしてやっぱり薬売りさんは見どころが多いですね。「ミステリアスな魅力」が増してる。で、めっちゃ強い。
何事にも慌てず、周りの人に怪しまれてごちゃごちゃ言われてものらりくらりとかわし、それでいて「もののけ」が現れたときの行動は超はやい!!音楽との掛け合いもかっこいい。カメラワークもすごい。"ハイパーさん"に変身するシーンも丁寧に描かれていて、すごい映像美だった。スローで見たい。あと、手元の所作も非常に美しい。
![](https://assets.st-note.com/img/1723560592619-kxOIZ2uZGx.png?width=1200)
ストーリーとしては、やっぱり絶え間なく端から端まで印象的な画面と、どんどん変化していく場面を追うのに必死で、確かにこれを1回見ただけでは「え?え??」ってなってる間に終わっちゃう、っていう感じでした笑。
もちろん、全然意味わからないってほどではないですが、消化不良にはなるでしょうね。
さらにこの作品は3部作らしく、続編に続くような終わり方なので、より「スッキリ感」はないかもしれません。
すごいアニメーション映画だった。
絵がやばい。
で、どういうことだったんだ・・・w
観終わったあとはとにかくこんな感じだったので、パンフレットを購入して、スタバに寄って一気に読みました。パンフレットの表紙も、世界観を踏襲した和紙の書物みたいな紙と綴じ方がされていて素敵でした。
映画を観終わった直後が一番作品に対する関心がピークになっているので、すごかった、面白かったと思った映画はとりあえずパンフレットを買って、帰るまでに集中して読むのを習慣にするのもいいなと思ってます。
パンフレットにはキャストの役者さんだけでなく、監督さんはもちろんプロデューサーさんや美術さんなど、制作スタッフの方のインタビューも詳しく載っているので、「この作品がいかにして生まれたか」「こんなやりとりが印象的だった」などという制作の背景が知れるのでめちゃくちゃ面白いんですよね。面白いと思った作品の、制作の裏側の話を知れるのすごい好き。
パンフレットを読み、帰宅後にこの特別番組の動画を見たことで、「結局、何が描かれていたのか」という、1回では掴みきれなかったストーリーの要素がかなり理解できました。
監督さんがお話しされている動画を見ていって分かったのが、『モノノ怪』には原作のマンガとかがあるわけではなく(逆にアニメのコミカライズ版がある)、監督がアイデアやテーマを1から構築して作られている、完全オリジナルのアニメだということ。こういう抽象的な思念や情念を、映像としてビジュアライズできるってすごい。超クリエイティブ!
☟ネタバレがあるので、こちらは映画を観たあとにみるのがいいです。私も第2弾まで事前に見て、映画を観て帰宅してからこの第3弾の動画を見て、「そういうことだったのか!」ってなりました。
いやーすごかった。
すんごいエンターテイメントでした。
全体の流れを知り、理解が少し深まったところで、もう一回じっくり観たい映画です。
もちろんアニメを観ていなくても、「一回で全部理解できなくて大丈夫」という前提を知っておけば、アトラクションみたいに気軽に楽しめるのでおすすめです!
続編も楽しみにしています。
続編いつだろ〜って思ってたら、2025年3月に公開とすでに決まっているらしい。なんと、もう前売り券も発売されてた!笑 絶対観にいこ〜〜〜。
続編の制作頑張ってください!!
![](https://assets.st-note.com/img/1723560445814-dVpIWeL3l7.png?width=1200)
※トップ画像は、来場者特典でいただいたイラストカードとパンフレットです。カード大きい!B5くらい。めっちゃかっこいい。
◼︎記事中の画像は、なんと公式が「感想用の劇中画像」を配布してくださっている!ので、たくさん使用させていただきました。絵の迫力と色彩の圧倒的な美しさは、やっぱり本物の画像を見てもらうのが一番伝わると思うので、オフィシャルに出していただけるのめちゃめちゃありがたい!
◼︎映画の公式サイトも貼っておきます。