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土星を越えて。

肉眼でギリギリ確認できる太陽系の惑星。占星術の体系が生まれた時には、月、太陽、水星、金星、火星、木星、土星までが全世界でした。7つの惑星までの領域の世界。その中で土星は最果ての場所でありました。そこから先はありません。

その時代の土星の役割は監視と制裁。個人が決められた領域から抜け出そうとすると、鉄槌を下す。という少々物騒な象徴を与えられていました。現代の占星術に至っても、その象徴は引き継がれ、相変わらず厳しい監視員のイメージですが、違っているのは、すでに土星は太陽系の最果ての星ではないということ。そして更には、太陽系が宇宙のすべてではないことを、誰もが知っているということ。

今の土星が果たす役割は、この地球での生き方を教え、鍛え、その枠を超えていく力をつけることなのかもしれません。個人の土星が座す位置には、生まれたままでは、克服困難な課題が示されています。それを避けて通ることは、難しいようです。時間をかけてその課題をクリアしていく。その過程で多くのものを得ることになります。

そして、ようやくこの社会で生きていく力と知恵を蓄えることができる。めでたしめでたし。なのですが、今を生きるわたしたちの人生はここでは終わりません。

そう、土星は既に最後の星ではありません。

その先の過程では、長い時間をかけて身に着けたもの、蓄えたものを、潔く手放す必要があります。

土星の向こうの世界では、これまでの荷物は必要ないようです。

土星の向こうに位置する天王星の象徴は「改革と革命」。その先の海王星はあの世とこの世の境界線をぼかし、冥王星は行き過ぎたものを破壊しまた再生する役割を与えられました。

土星に鍛えられ、強く賢くなった私たちは、そこを超えて、今度はどこを目指していくのでしょう。これまでの常識は通用しない世界。土星の内側は心地よかったでしょうか?それとも窮屈だったでしょうか?

檻の中は制約ばかりで息苦しい。でも、ある意味そこにいる限り安全です。

ともすると、苦しいと思いながらも、そこに留まることを選んでしまうかもしれません。でも、土星の先の、そのまた先の世界もあることを知ってしまいました。果たして、留まっていられるでしょうか?

折しも、2020年は留まることを許してはくれない流れの中にあります。

外側の出来事は内側の改革を促し、内側の革命は、外側の世界を変えていくことになるでしょう。

もう充分、という声が聞こえてきたら、その機会を逃さぬよう。重たすぎる荷物の中身を改めてみる時なのでしょう。


本日の自分再生プロジェクトのお題

・自分の周りをぐるりと見まわして、役目が終わったものを感謝して手放す。

・手放した後で、今後手に入れたいものを自由に想像する。

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