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【太鼓の達人誹謗中傷事件】音ゲー面白投稿集(仮名) & 武田(仮名)編

はじめに

 この記事は、Twitter(X)で誹謗中傷されたあとに相手を特定、解決に至るまでの経緯を記したものです。
 解決に至る道のりはかなり特殊な事例になったので皆さんの参考にはならないとは思われますが、お読みいただけますと幸いです。
(なお、本件は示談が成立したため、加害者側のアカウント名等は全て仮名となっています。)

誹謗中傷編

 始まりは以下のツイートでした。

アカウントが凍結されていて自身のTweetが引用できないため、代わりに外部サイトで保存されていたものを引用

 このツイートに反感を持った太鼓の達人民の一部は、当方への誹謗中傷を開始したのです。

 このTweetに「明らかな誹謗中傷ですが、ご理解されていますか?」と返信したところ、太鼓の達人民から複数の引用リツイートがありました。
 そのうちのひとりが 武田@takedakou(仮名) です。

紛うことなきクソリプ

 冒頭スクショの投稿者には発信者開示請求を行うことを宣言したところ…

注:その後、本投稿者は「家族に迷惑をかけたくない」と真摯に謝罪されたので、謝罪を受け入れ、発信者情報開示請求を取りやめました。

 翌日、音ゲー面白投稿集@OTOGEomosiro(仮名) からDMが届きました。

 DMの内容としては「発信者情報開示請求なんて通りっこない、しても無駄だ」の一点張り。
 そこで「当方、開示請求を何度もやっておりますので」と自分の記事を紹介したところ、「証拠として開示請求結果を5通見せろ」と要求されました。

 要求に応じる必要はないと考えた自分はそれを拒否しましたが、その後、音ゲー面白投稿集は以下のようなツイートを行いました。

 他にも、以下のようなツイートも。

 なお、「詐欺師」は一発開示ワードです。

 と、そのタイミングで、武田にブロックされていることに気付きました。
「絶対に裏で何か言っているに違いない」と直感した自分は、ログアウトした状態で武田のツイートを確認しました。

 「キチガイ」も権利侵害が認められて開示される可能性があり得るワードです。

 彼らにしっかりと償いをしてもらう必要があると考えた私は、本人を特定するために動き出したのでした・・・

開示請求編

 さっそく、発信者情報開示請求権に基づく仮処分命令申立書を作成し、東京地裁民事9部に提出しました。

 双方審尋では裁判官から「明らかな人身攻撃と言わざるを得ない」と即心証開示され、X社からも強い反論はなく、開示決定がなされました。

 しかしX社からは開示がいっこうに進まず。
 開示が遅れに遅れまくったせいで、間接強制金が発生するという異常事態まで発生します。
 その件については記者からの取材に応じ、読売新聞に記事が掲載されましたのでこちらからご一読ください(後段の『Xの対応「あまりに遅い」』の部分です)。

 9月を過ぎ、ようやくX社からメールで回答があったものの、武田については情報を保有していない、という回答がありました。実はXはアカウントを削除して1か月後、全てのログが削除される、という仕様になっています。武田が7月中旬ごろにアカウントを削除していたため、8月中旬に全ログが消去され、Xが9月に確認した時点ではログが残っていなかった、という疑いがあります。(それをX社は認めていませんが)
 いずれにせよ、武田の開示には失敗しました。

 そこで、武田のプロフィールを今一度確認します。

 武田はサブ垢と思われる 武光@kototuna244144(仮名) をプロフに記載していました。

 そこで、武田の投稿内容を根拠に、武光のIPアドレスを開示しようと発信者情報開示請求権に基づく仮処分命令申立を行いましたが、裁判官から「投稿したアカウントと別のアカウントの情報を開示するのは、法的に難しいと思われる」と難色を示されたので、申立を取下げました。
 武光の開示にも失敗しました。

 音ゲー面白投稿集については、IPアドレスが開示されました。
 
IPアドレスからアクセスプロバイダを特定し、アクセスプロバイダに任意の開示請求をしたところ、インターネットマンションを運営している会社が開示されました。嫌な予感がします。・・・その会社に任意の開示請求をすると、とある学生向けインターネットマンション名が開示され、「マンションに1本の回線を引き込んで共有しているため、部屋番号と氏名は特定できません」と回答されました。

 さっそく、その管理会社に電話。
「そちらで管理している○○〇というマンションから誹謗中傷の投稿がなされたのでお電話しております」
「弁護士さんですか?」
「いえ違います。そちらのマンションの戸数を教えていただけますか」
「個人情報が・・・」

 戸数が個人情報なわけないだろ。

 それをかなりオブラートに包んで先方に指摘したところ、ようやく「約50戸」と回答されました。

 50戸という数字に軽く絶望しながら、警察署の刑事課に相談。
 刑事からは「50戸をガサ入れするのは、よほど重大な事件じゃない限り現実的ではない」とこれまた予想どおりの回答。

 そこで、今度は発信者情報開示命令申立を行いました。

 発信者情報開示請求に明るくない方に簡単に説明すると・・・
・発信者情報開示請求権に基づく仮処分命令申立・・・IPアドレスのみ開示を求める
・発信者情報開示命令申立・・・IPアドレスの他に、アカウントが保有するメールアドレスや電話番号の開示を求める
(これだけ読むと「最初から発信者情報開示命令申立すればいいんじゃね?」と思われるかもしれませんが、X(Twitter)については「開示決定が出てもなかなか開示してくれない」という事情があり、開示を強制させる手続きの都合上、仮処分命令の方が望ましいのです)

 そして、開示決定されました。

 X社からは双方審尋の時点で「電話番号情報を保有している」と聞いていた私は、「電話番号さえわかれば、弁護士に委任し電話会社に弁護士照会をかけることで本人が特定できる」と安堵していました。

 そしてX社からほどなくして、情報が開示されました。
 X社から送付された文書には音ゲー面白投稿集の電話番号が掲載されていました。
 その番号は+86から始まっています。嫌な予感がします。・・・弁護士に確認したところ、「国番号86は中国の電話番号であり、弁護士会照会は難しい」と回答されました。
 音ゲー面白投稿集の開示にも失敗しました。

特定編

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