【考察】「IQが20違うと会話が成立しない」説は真実か??
引用文献
上記の天佑氏の記事を読み、考えたことを文章にまとめます。
1. 概要
IQや偏差値は、「頭の良さ」の特定部分を測る指標である。
何をもって「会話が成立するか」「授業が成立するか」判断できるか、その基準が不明瞭である。
<筆者の考え>俗説は部分的に真であり、部分的に偽である。
「会話・授業が成立しない」と言える場合もあるし、そう言えない場合もある。
(反省:奥歯に物が挟まるような言い方になってしまった…)
2. はじめに:筆者の経歴
公立幼稚園→(転校)→私立幼稚園→公立小学校→(転校)→公立小学校
→公立中学校→公立高等学校→1年間浪人(予備校)→公立大学→公立大学院
→修士号を取得後、企業に就職
大阪府立北野高等学校
京都大学農学部
京都大学大学院農学研究科
性別:女性
「大学学部卒業後直ちに大学院に進学した者の数」÷「大学学部卒業率」
大学院進学率(女性)の割合は約5.9%(平成28年度調査)
I-5-1図 学校種類別進学率の推移 | 内閣府男女共同参画局 (gender.go.jp)
IQは調べたことが無いです。QuizKnockの動画で「東大生のIQ調べてみた」という企画がありましたね。
QuizKnockってIQいくつ?正式な検査を病院で受けてきました - YouTube
クイズノック、企画が面白いし、学問や勉強に対する真摯な向き合い方が感じ取れて好きです。今後も応援しています。
3. 天佑氏の条件整理に対する疑問点
IQや教育を専門としていない素人の感想なのですが、条件③について疑問に思うところがあります。
<疑問>高校受験時の偏差値=英語、国語、数学、理科、社会の5教科の成績としてよいか?
<理由>高校によって入学試験の科目が異なるから。
私は北野高校の文理学科を受験したが、英語、国語、数学の3科目に加えて小論文を書いた(理科と社会は入試で必要なかった)記憶がある。間違っていたらすみません、でも理科と社会は普通科の入試科目だったはず…
英語100点、国語100点、数学100点、理科100点、社会100点を取れる中学3年生はそれなりにいると思う。果たしてその子は高IQであるだろうか?
高校受験当時の私の偏差値はおよそ75でした。天佑氏の作成した偏差値とIQの変換表によると、私のIQは130~140程度となります。
せやろか??中学校で習ったことを全て根性で習得しただけでは??
(嫌味を言いたいわけではなく、私はガリ勉タイプであることを言いたいだけです。ハリー・ポッターシリーズのハーマイオニー的な子供でした)
偏差値が高い人はIQも高い、という傾向はあると思うけど完全相関するだろうか?
どのようなIQテストを受けた結果を採用するか、どのような高校入学試験を受けた結果を採用するか、議論の余地があると感じました。
(天佑氏は学術論文を書いているわけではないので、世間一般で考えた時にある程度正しいと言えるなら「条件は成立している」とみなせるでしょう)
こんな難癖じみたnoteを書く以上、偏差値とIQの関係を調べた研究論文でも引用しよう、と思ったのですが、上手く調べることができず、自分の納得のいく根拠を示せませんでした。申し訳ございません。
教育分野の研究結果って難しいですね。「人によるやろ」「場合によるやろ」とツッコミを入れたくなる…
農業土木の論文は読みやすいです。自分の専門分野だから、慣れているからでしょうね。
人文科学の研究は定量評価・定性評価しづらい気がします。
4. 新俗説「偏差値が13違うと授業が成立しない」について
<疑問>「授業が成立する」とは?
おそらく「授業」=「家庭教師が、生徒に勉強を教えること」
→「授業が成立する」=「家庭教師が生徒に勉強を教えて、生徒がその内容を理解できる」
ここで「勉強」とは、受験勉強を指すことが多いだろう。
いわゆる受験戦争を勝ち抜いてきた旧帝大の現役生であれば、(厳密に言えば卒業前の大学生の学歴は高卒だが)所属する大学名のブランド力を獲得することができる。
受験勉強を熱心にやったかどうか、得意科目・苦手科目は人それぞれであるが、少なくとも「○○大学の入学試験をクリアできる程度の学力を有する」ことは確かである。
5. 「家庭教師は東大生よりも京大生の方がよい」説の検証
<元も子もないツッコミ>東京と京都で直線距離にして約365 km離れているから、「うちの子の家庭教師は現役東大生にしようかしら?現役京大生にしようかしら?」と比較検討するご家庭は無い
名古屋あたりなら新幹線通勤1時間程度で済むが、現実的ではない
<あり得る状況>
- 東大卒or京大卒の教師を比較検討した
- 「東大生は真面目なガリ勉タイプが多く、京大生は自由奔放な人が多い」というステレオタイプの影響
- 「東大生の家庭教師に教えてもらったが、成績が上がらなかった」「京大生の家庭教師に教えてもらって、成績が上がった」という口コミの影響
- 京大生に比べて東大生の場合、教師と生徒に学力差があるため「分からないが分からない」現象が発生しやすい
- 親や生徒が「東大生=勉強はできるが仕事ができない」という偏見を持っていた
- 東大生が「こんなことも分からないなんて(自分には理解できない、これ以上教えられない)」と、家庭教師の仕事を放棄した
<感想>
どれだけ熱心に家庭教師の仕事をするか、人によると思う。
大学によらず「話す」「説明する」「教える」ことが得意な人・苦手な人はいる。聴覚優位、視覚優位など、人によって特性は異なり、効果的な勉強法も異なるため、自分の生徒に対して
- どれほど誠実にまっすぐ向き合えるかどうか(傾聴と対話)
- 試行錯誤して「良い指導方法」を見つけ出せるかどうか
が、「家庭教師として適任であるか」を決めるポイントだと思う。
例:聴覚優位の生徒に対して音読を推奨する、視覚優位の生徒に対してイラストを交えて説明する、勉強のやる気が出ない生徒に対して勉強の楽しさ、モチベーション維持の方法を教えるなど
「お金が発生するなら真剣にやるよ」という人はどんな学歴だろうと良い教師になるだろうし、「しょせんアルバイトだから楽に稼ぎたい」という人はそうなれないだろう。
6. おわりに:感想
「頭の良さ」「知性」「学力」を測る指標にはIQや偏差値があるが、それらの指標はあくまで「そのテストにおける評価基準」であることを忘れてはいけない。
「傾聴と対話」を重んじる態度は、学歴に関わらず、社会に生きる人間として重要である。
最後に、勝手に天佑氏のnoteを読んで勝手に感想文を書きました。天佑氏に敬意を表し、失礼をお詫び申し上げます。