たろさん

ゆっくり自分らしく生きたいと願う50代のひとり言です。 本と将棋が好きです。

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最近の記事

2023年の8冊目『会社という迷宮』

2023年の8冊目(3/5) 石井光太郎『会社という迷宮』ダイヤモンド社(2022年)★★★  大変興味深く、そうだと思わせる内容の多い本だと思った。  著者は、戦略、市場、価値、利益、成長、会社、統治、組織、改革、M&A、開発、人材、コンサルタント、信義といったキーワードを、悪魔が忍び込んだ「会社」という迷宮の言葉と呼ぶ。そして、これらを解きほぐし、もっともらしいベールを丹念に剥がす作業を通じて、経営に「常識的感覚 common sence」を取り戻したいという。  い

    • 2023年の6冊目『ネット興亡記 ②敗れざる者たち』

      2023年の6冊目(2/8) 杉本貴司『ネット興亡記 ②敗れざる者たち』日経ビジネス人文庫(2022年)★★★  期待に違わず、第2巻も大変面白く読み終えた。  ライブドア事件、ミクシィ、LINE、メルカリ、そして最終章は、宇野康秀と熊谷正寿。事件後ライブドアを支えたメンバーがLINEにつながっていく、日本のSNSの先駆けであるミクシィの盛衰、メルカリの創業と米国進出、最終章のUSENとGMO、どれも読み応えのある内容だった。  2巻合わせて900頁にのぼる大著だが、久し

      • 2023年の5冊目『ネット興亡記 ①開拓者たち』

        2023年の5冊目(2/5) 杉本貴司『ネット興亡記 ①開拓者たち』日経ビジネス人文庫(2022年)★★★  楠木建氏と冨山和彦氏推薦!、という2巻本の帯の見て本屋で手に取った。1巻目を読み始めたところ、どんどん引き込まれていった。  日本のインターネット事業の黎明期から本書ははじまる。サイバーエージェント、IIJ、iモード、ヤフー、楽天、アマゾン日本上陸、ライブドア創業・拡大期が描かれる。誰もがその名を知る、藤田晋、鈴木幸一、孫正義、三木谷浩史、堀江貴文といった創業者だ

        • 2023年の4冊目『戦後日本史』

          2023年の4冊目(1/29) 福井紳一『戦後日本史』講談社α文庫(2015年)★★★  著者は駿台予備校の日本史講師として30年以上にわたり講義を続けてこられた。私が大学受験で浪人となり、お茶の水の駿台に通ったのは35年以上前のこと。その当時、授業を受けたのは安藤先生と新谷先生。新谷先生の講義はいまでも思い出すことが多い。  日本の近現代史は、当時も頻出分野であったにもかかわらず、高校の授業では明治維新直後で終わってしまい、実質きちんとした授業を受けたのは予備校が初めて

        2023年の8冊目『会社という迷宮』

          2023年の3冊目『占領と改革』

          2023年の3冊目(1/23) 雨宮昭一『シリーズ日本近現代史⑦ 占領と改革』岩波新書(2008年)★★☆  本書は、第二次世界大戦後の占領と改革の時代、55年体制成立までの10年間の通史である。日本の戦前・戦時と戦後の連続性に焦点を当て、日本の戦後改革につながるものが総力戦体制の中に存在していたという。敗戦や占領がなくても戦後改革が行われたかどうかはよくわからないが、戦後の政治勢力や社会保障の原型、労働者や女性の地位向上といった社会関係の平等化、近代化、現代化は総力戦体

          2023年の3冊目『占領と改革』

          2023年の2冊目『漫画で読む「戦争と日本」ー壮絶!特攻ー』

          2023年の2冊目(1/8) 水木しげる『漫画で読む「戦争と日本」ー壮絶!特攻ー』リイド社(2021年)★★★  家に積ん読になっていた本書を手に取る。450頁を超えるボリュームだが、引き込まれ一気に読了。やはりビジュアルの威力は大きく、戦争・軍隊・戦場の一場面とはいえ、その実情をリアルに捉えることができた。

          2023年の2冊目『漫画で読む「戦争と日本」ー壮絶!特攻ー』

          2023年の1冊目『アジア・太平洋戦争』

          2023年の1冊目(1/7) 吉田裕『シリーズ日本近現代史⑥ アジア・太平洋戦争』岩波新書(2007年)★★★  本書は、1941年12月に始まり1945年8月に終結した「アジア・太平洋戦争」、その5年弱の通史である。帝国書院の歴史図説を参照しながら読み進めた。当時の日本の政治・経済・社会の状況と、戦争や戦場の実情がバランスよく描かれており、大変わかりやすい内容だった。  ミッドウェー海戦の敗北、ガダルカナル島撤退、アッツ島の玉砕、インパール作戦の失敗、レイテ決戦、硫黄島

          2023年の1冊目『アジア・太平洋戦争』

          2022年の46冊目『サイバーセキュリティ』

          2022年の46冊目(12/31) 谷脇康彦『サイバーセキュリティ』岩波新書(2018年)★★☆  サイバーセキュリティの基本的な知識を得られる本。

          2022年の46冊目『サイバーセキュリティ』

          2022年の45冊目『希望難民』

          2022年の45冊目(12/19) 古市憲寿『希望難民』光文社未来ライブラリー(2022年)★★☆  ピースボートは学生時代から気になる存在で、街中のポスターを見て、乗船してみたいと思いながら、少し引いて見てきたのが正直なところ。言葉にできないモヤモヤした感じを、著者はクリアに描いている。  90年代初頭に、バックパッカーとして「自分探し」の旅に出かけていた、当時の感覚や気持ちを思い出しながら、読み進めた。

          2022年の45冊目『希望難民』

          2022年の44冊目『キャリアデザインのための企業法務入門』

          2022年の44冊目(10/24) 松尾剛行『キャリアデザインのための企業法務入門』有斐閣(2022年)★★☆  法律書といえば有斐閣だが、その中でも、入門書は法律分野がどうかにかかわらず、良書が多いと思う。本書は、主に、法曹資格を有しない若手法務担当者に向けた、企業法務に関する入門書である。  企業における法務部門の役割、法律知識を企業実務にどのように活かすか、その前提としての企業法務担当者の仕事の心構えがわかりやすく書かれている。法務担当者の日々の悩みに答える本であり

          2022年の44冊目『キャリアデザインのための企業法務入門』

          2022年の40冊目・41冊目・42冊目『ベルリンうわの空』『ベルリンうわの空 ウンターグルンド』『ベルリンうわの空 ランゲシュランゲ』

          2022年の40冊目・41冊目・42冊目(10/10) 香山哲『ベルリンうわの空』イースト・プレス(2020年)★★★ 香山哲『ベルリンうわの空 ウンターグルンド』イースト・プレス(2020年)★★★ 香山哲『ベルリンうわの空 ランゲシュランゲ』イースト・プレス(2021年)★★★  2020年のコロナ禍の中、会社の近くの本屋で本書の第1巻と出会い、その後2冊購入。初見の印象。絵が独特で少し不気味な感じ。ストーリーは、今の自分には共感できない部分も多いが、昔の自分だっ

          2022年の40冊目・41冊目・42冊目『ベルリンうわの空』『ベルリンうわの空 ウンターグルンド』『ベルリンうわの空 ランゲシュランゲ』

          2022年の39冊目『働くことの意味』

          2022年の39冊目(10/10) 中沢孝夫『働くことの意味』夕日新書(2022年)★★★  駅ナカの本屋で見かけ、そのシンプルな装丁に惹かれ、思わず手に取った。著者の本は味わい深い本が多い。著者の自伝と、長年にわたる調査に基づく中小企業の仕事や職場、そこで働く人の様子が温かく描かれている。

          2022年の39冊目『働くことの意味』

          2022年の38冊目『「名著」の読み方』

          2022年の38冊目(10/10) 秋満吉彦『「名著」の読み方』ディスカヴァー・トゥエンティワン(2022年)★★★  著者は「100分 de 名著」のプロデューサー。この番組は、NHKで好きな番組のひとつ。名著を手にしても一冊を読み通すことが少なくなった。紹介されているる本の半分くらいは10代~20代に読んだが、再読したいと思う本ばかり。著者独自の本の読み方、「ABQ」の印と自分なりのインデックスで「本を汚す」、これはぜひ実践してみたい。

          2022年の38冊目『「名著」の読み方』

          2022年の37冊目『ほんとうの定年後』

          2022年の37冊目(10/10) 坂本貴志『ほんとうの定年後』講談社現代新書(2022年)★★★  55歳となり、60歳後を強く意識するようになった。本書は、定年後の仕事や生活の実態を明らかにしながら、現役時代とは異なる「小さな仕事」の意義を紹介している。大変勇気が出てくる本だと思った。

          2022年の37冊目『ほんとうの定年後』

          2022年の35冊目・36冊目『50歳からの幸せな独立戦略』『50歳からの人生が変わる痛快!「学び」戦略』

          2022年の35冊目・36冊目(8/15) 前川孝雄『50歳からの幸せな独立戦略』PHPビジネス新書(2020年)★★★ 前川孝雄『50歳からの人生が変わる痛快!「学び」戦略』PHPビジネス新書(2021年)★★★  来月55歳となり、この先70歳までどのように仕事を続けていくか、日々悩んでいる。自分の経験値を体系化することが重要で、そのためには「学び」が重要だと著者は指摘する。これまでの経験やスキルを存分に活かし、かつ人を雇わず、借金もせず、初期投資をできる限り抑える「

          2022年の35冊目・36冊目『50歳からの幸せな独立戦略』『50歳からの人生が変わる痛快!「学び」戦略』

          2022年の34冊目『龍馬読本』

          2022年の34冊目(8/13) 入交好保『龍馬読本』高知龍馬の会(2010年)★★☆  高知の桂浜にある坂本龍馬記念館で購入。50頁強のブックレットで読みやすい。坂本龍馬の人生を簡潔に説明されている好著。坂本龍馬が、明治維新と自由民権運動の先駆をなしているというのが著者の主張。  坂本龍馬を演じた俳優で印象に残っているのは、江口洋介(新選組!)と内野聖陽(JIN-仁-)。

          2022年の34冊目『龍馬読本』