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心残りが消えた。水彩画で実現した亡き母と息子の出会い《「オーダー水彩画」利用者インタビュー》

「愛しいを、えがく」をコンセプトに、日常生活における小さな幸せを絵にしている水彩作家yukko。心に残したい感情を表現する、世界にひとつだけのオーダー水彩画「かぞくアート」を提供しています。

今回インタビューに応じていただいたのは、石川県在住のあすかさん。

お子さまが生まれる前にお母さまが亡くなったため、母に我が子を抱っこしてもらえなかった心残りがあったといいます。あすかさんが依頼したのは、ふたりがお互いを思い合っている情景。どのようなやり取りがあったのか、ぜひ本文をお読みください。(取材・文:堀 聡太)


母に、息子を抱っこしてもらえなかった

──yukkoさんの水彩画を知ったきっかけを教えてください。

きっかけはTikTokです。お母さんが出産を終えて帰ってきたときのお兄ちゃんの反応を描いた絵に、思わず涙しました。この人は他にどんな絵を描いているんだろう、と気になりましたね。

ままのてコラム「弟が生まれて嬉しさと戸惑いがごちゃ混ぜになる話」より

──もともと水彩画がお好きなんですか?

はい。ふわっとした雰囲気や、あったかい感じが伝わるので。特にyukkoさんの描く水彩画は、ほっぺたの丸みや赤ちゃんのしわなどがリアルですよね。目の前に、描かれたものが浮かんでくるようで、つい見入ってしまいます。

──「オーダー水彩画」購入のきっかけを教えてください。

私の母は、息子が生まれる前に病気で亡くなりました。病気の告知、余命宣告を受けてから亡くなるまでの期間も短くて……。息子を抱っこしてもらえなかったという心残りがずっとありました。

それに、母が元気だった頃の写真がほとんどありませんでした。病気が分かってから、みんなで撮影した写真はあるのですが……。
実際の写真はないのですが、母と息子が一緒になっている絵を描いてほしいと思ったんです。yukkoさんに相談したところ、「できます!」とすぐに言っていただけたので、思い切ってお願いしました。

「あ、お母さんや」

──yukkoさんには、どのような絵を描いてほしいと伝えましたか?

母と息子がお互いに思い合っている絵です。
母が存命だったら、孫のことをきっと誰よりも可愛がってくれたと思います。息子の誕生を待ちわびた母、そして生まれたばかりの息子が「やっと会えたね」と思い合う気持ちを絵に込めてほしいと伝えました。

あと、母はパンダが大好きだったんです。亡くなる前に「上野動物園にパンダを見に行こう」と計画していたのですが、結局行けずに亡くなってしまって。可能であれば、絵のどこかにパンダを入れてもらえないかとお願いしました。

──水彩画を注文する際に、不安なことはありませんでしたか?

本当に描いてもらえるのか、という不安がありました。元気だった頃の母の写真がほとんどなかったので、yukkoさんには一部想像で絵を描いてもらうしかありませんでした。

水彩画が届く前日になって、「似てなかったらどうしよう」「お母さんじゃなかったらどうしよう」と急に不安が大きくなりました。絵が届くまで、ずっとソワソワしていたと思います。

──実際に水彩画をご覧になったときの感想を教えてください。

「あ、お母さんや」って、思いました。yukkoさんの絵って不思議で、まるで自分の目で見たような光景みたいに変わるんですよ。元気だったときの母に久しぶりに会えて、夢が叶ったようなスッキリした気持ちになりました。今思えば、何を不安がっていたんだろうという感じですね。

私の叔母(お母さまの妹)が自宅を訪ねたときに、サプライズで水彩画を見せました。言葉にならないくらい泣いていましたね。叔母もずっと母に会いたいと思っていたようで、すごく喜んでくれました。水彩画を通して、母の存在の大きさを感じられたように思います。

絵の中では、お母さまと赤ちゃんが見つめあっている
優しく見つめる表情
「やっと会えたね」という声が今にも聞こえてきそう

まるで本当にあったかのような光景

実は、私は「抱っこしている絵」を描いてほしいとは伝えていなかったんです。母と息子が思い合っている姿として、仲良く戯れている光景がyukkoさんの頭に浮かんだのかなと思います。

──赤ちゃんがお母さまに手を伸ばしている様子も素敵ですね。
期待以上でしたね。実際の写真がなかったとしても、こんなに素敵に描いてもらえて正直驚きました。まるで本当にあったかのような光景で、絵のイメージがスッと私の中にも入ってきた感覚を覚えました。

──水彩画があることで、あすかさんの生活で変わったことはありましたか?
もちろん今でも、「お母さんがおってくれたらな」と思うことはあります。でも水彩画を見ることで「お母さんがおってくれて良かったな」とも思えるんです。

今、水彩画は自宅のリビングに飾っています。キッチンから見えるところなので、料理や洗い物をしているときに、ふと息子が絵の近くで遊んでいると感慨深い気持ちになります。

描かれた人の体温まで感じられる

──改めて、yukkoさんの水彩画の魅力とは何だと思いますか?

絵を通して、描かれた人の体温まで感じられるのがyukkoさんの水彩画の魅力です。

「手がぷにぷにで可愛いな」と思う瞬間って、目に見える光景ばかりではありません。肌の質感や温かみなど、写真では伝わらない部分もyukkoさんは描いていると思います。

──どんな方に、yukkoさんの「オーダー水彩画」を勧めたいと思いますか?

私のように、もう手に入らないことがあって、そのことに後悔したり心残りを感じたりしている方に勧めたいですね。「瞼にシャッターがほしい」という表現って、あるじゃないですか?あの瞬間、こうしておけば良かったとか。写真や動画に残っていないことも、yukkoさんに頼めば、思いを汲み取って描いてくれるはずです。何かの節目に、お願いしてみてはいかがでしょうか?

編集後記

最愛のお子さまが生まれる直前に、最愛のお母さまを亡くされたあすかさん。
yukkoさんが受け取ったのは、「こんな未来があったら」というあすかさんの思いでした。「描かれた人の体温まで感じる」とあすかさんが話したように、ふたりの仲睦まじい水彩画を届けることができました。

誰しも、写真に残せていないエピソードや、小さな心残りを感じるような思い出をお持ちのはず。水彩画だからこそ表現できる思いを、ぜひ体感してください。





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水彩作家yukko
サポートいただいたら息子とのお出かけに使いたいと思います、そしたらまた絵を描きたいと思います✨