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センス・オブ・ワンダーな夏の記憶

秋が深まってきた、その前に我が家の夏の記憶を残したいと思います。

それは「センス・オブ・ワンダー」な夏の記憶。

子どもたちは水辺の生き物と虫が大好き。長男は生き物好きになって早3年になります。

家にいるカブトムシの幼虫は20匹に。栃木にきて、夏は虫探しや水辺の生き物探しのツアーに何度も行ってその熱は益々増すばかり。

6歳さんにとって生き物が好きな理由は「見つける&捕まえるワクワク感」にあるみたい。

宝探しのようなものだろうか、見つかるかなというワクワクと捕まえられるかというドキドキを堪能しているようです。

庭でもアキアカネ、シジミチョウ、コカマキリ、オンブバッタ、エンマコオロギを捕まえて観察していました。小川で小魚や水辺の生き物を捕まえるのに、集中力を切らさず何時間でも夢中になれる。夏休みの多くは虫や小魚探しなどに夢中になる日々でした。ある日は、釣り堀で1000gのニジマスを捕まえるために2時間粘ってました。

私は、彼らの姿を見て『センス・オブ・ワンダー』のことを毎日想起していました。

世界的ベストセラー『センス・オブ・ワンダー』待望の新訳、さらにその未完の作品を今京都から書き継ぐ
先駆的に化学物質による環境汚染を訴え、今に続く環境学の嚆矢ともなった『沈黙の春』の著者であり科学者であるレイチェル・カーソン。そのカーソンの最後に遺した未完の作品が『センス・オブ・ワンダー』だ。
原書には、科学者カーソンとめいの息子である幼いロジャーが自然豊かな米メーン州の別荘を訪れ、海辺や森で過ごした日々がつづられる。


本書は独立研究者・森田真生さんによる新訳と、「その続き」として森田が描く「僕たちの『センス・オブ・ワンダー』」で構成されています。

驚きと不思議に開かれた感受性のことを指す『センス・オブ・ワンダー』。
子どもの世界は瑞々しく、いつも新鮮で、美しく、驚きと興奮に満ちています。

大人になるにつれて、その真っ直ぐな眼差しが霞んでしまいます。

子どもにとって、そしてわが子を導こうとする親にとって、知ることは感じることにくらべて半分も重要ではないと、私は心から思っています。事実が、やがて知識や知恵を生み出す種子だとしたら、感情や、感覚に刻まれた印象は、種子を育てる肥法な土壌です。

幼年期は、この土壌を豊かにしていくときです。美しさの感覚、新しくて未知なものに出会ったときの興奮、共感や哀れみ、称賛や愛情、こうしたさまざまな感情がひとたび呼び覚まされたあとになってようやく、私たちは心動かされたその対象を、もっと知りたいと思うようになるのです。このようにして得られた知識はいつまでも、かけがえのない意味を持ち続けることになるでしょう。

『センス・オブ・ワンダー』

子どもたちはいつも目を丸くして生き物たちの変化に驚き感激します。ある日、飼っていたカブトムシの卵が孵化して小さな幼虫が生まれました。5歳の長男と2歳の次男と一緒になって「わーーー!ここにもいる!ここにもいる!」と興奮しながら幼虫の数を数えました。3歳になった次男は、1年経った今でも「あの時次男君が幼虫を見つけたんだよね」と嬉しそうに話してくれます。

今年は、6歳さんが念願のオオカマキリを捕まえました。自分の肩くらいまでの背丈の草の中を忍者のようにスススと探しまわりました、「捕まえた〜〜〜!」と叫んだ時の彼の表情は忘れられません。

私は、この自然の中にある生命の喜びや驚きを教えているのではなく、教えてもらっています。

すでに大人になってしまった人間が、忘れかけているセンス・オブ・ワンダーを思い出すことができるとするなら、そのためには「生きる喜びと興奮、不思議を一緒に再発見していってくれる、少なくとも一人の子どもの助けが必要」になる。

6歳さんから「庭でこの世の全部の虫を飼いたい、池を作って水辺の生き物も飼おう」という壮大な提案もありました。全部の虫は難しいけど、家庭菜園のニンジンにキアゲハの4匹の幼虫がいたので、一部のニンジンは収穫せずにそのまま幼虫を育てることに。

「雑草取りすぎないでね」
庭の草むしりをしていた私に長男が言いました。そうだよね、バッタやコオロギのすみかでもある。「雑草取らないで」ではなく「取りすぎないで」というところが、大人の事情も理解しつつ、生き物を思い遣る気持ちが伝わってきます。

我が家の庭は見た目は不恰好で、雑草も生えています。しかし、それが私たちにとっては素晴らしい庭なんです。

今年の夏は、生き物の観察会に何度も参加しました。生き物の先生が教えてくれる時は、かぶりつくように一番前に立って「ハイハイ!」って答える子どもたちの姿。
この生き物はどの国の地域のどんな場所に住むのか、この生き物は何を食べて何に食べられるのか、どこから来てどこに行くのか、この生き物を見つけるためにはどんな道具や装備が必要なのか。生き物が彼らの世界の入り口となり、多くの感動と知識を与えてくれます。

私も、子どもたちと一緒になって楽しみました。
生き物の観察会に参加した時、デッサンの機会がありました。子どもたちの多くがデッサンし大人がフォローにまわる中、大人の私も真剣にデッサンを続けました。
1種類でも多くとどんどんデッサンする息子に負けじと、私も初めて目にする生き物たちを描きました。それぞれの特徴や美しさを捉えながら、私たちは生き物たちの魅力を紙に描き出しました。

来年の夏も、同じように生き物たちを追いかける夏を迎えるかどうかはわかりません。だけど、驚きと不思議に開かれた感受性を持ち続けたいと心から願っています。

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サポートいただいたら息子とのお出かけに使いたいと思います、そしたらまた絵を描きたいと思います✨