大森静佳『ヘクタール』/触れるものからするすると物語が紡がれていく
大森静佳さんの第三歌集『ヘクタール』を読みました。
この歌集は2018〜2022年の間に詠まれた短歌1000首から300首ほど選歌し、昨年の夏に出版されたものです。
大森さんは、第56回角川短歌賞をはじめさまざまな賞を受賞されている30代の歌人ですが、歌集を読んだのは実はこれが初めてです。
読んでみて、大森さんの繊細で身体的な表現に一気に引き込まれました。
なかでも『血ののぼる頬』『阿修羅』『夢のロープ』は何度も読むうちにぐっと胸に迫るものがありました。いくつか引かせていただ