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散歩。時速4キロ、宇宙の旅


コロナ禍の中で時間だけはたっぷりある。

仕事に追われ続ける日々から立ち止まって考える時間が生まれた。
朝は散歩だ。公園をたっぷり1時間歩く。ときには1時間半。約6キロ歩くこともある。ジムは義務感で通うことに飽き飽きして昨年暮れに退会した。

考える時間があればどこで考えてもいいようにも思う。飛行機の機内にはたっぷり時間がある。下手すれば10時間以上ある。新幹線も2~3時間はたっぷりと思索する時間がある。でも何かが違う。飛行機で考えたこと、新幹線で考えたことは、そのスピードとともにすばらしいと思っていたことも消え去ってしまうのだ。考えていたという事実も消え去る。車の運転なら尚更だ。車の流れを見る、信号や踏切に注意し、歩行者、自転車の流れさえも意識して運転しなければならない。

歩くこと。

たった4キロのスピードしかない。目的は歩くのみ。どこかに行ってなにかをする必要もない。誰かと打ち合わせをすることもない。

環境に溶け込み、流れに身を任せるだけでいい。鳥のさえずりが聞こえる、下手な楽器の練習音、犬の散歩、子どもたち騒ぎ声、ジョガーの足音まで聞こえてくる。アリの巣づくりの音まで聞こえてきそうだ。細菌から木々、そして人まで、それぞれが今という時を懸命に生きている。

歩きながらこれまでのことを振り返る。明日、来月、来年のことに想いを馳せる。考えることは、いつでも、どこでも自由だ。

散歩は考えるには最高の時間。

時速4キロ、宇宙の旅。

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