INTJ休日の日記(盆栽の世界)
2024.9.3
めずらしく平日の連休になったので、外出して新しい刺激を得ようと思い、
ネットでたまたま見つけたので行ってみたのが
盆栽美術館(埼玉県大宮)
なんでも、大宮は、盆栽の町らしく、盆栽町という地名もあるらしい。
平日で人も少なく、駐車場に先にあった車は一台だけ。
ほぼ貸し切り状態。
今まで興味も示さなかった未知の領域に緊張とワクワクを感じつつ中に入る。
館内にはコレクションギャラリー、その先から中庭の庭園に出られるようになっている。
しんと静まり返った館内。
受付で入館料を払い、ギャラリーから見て回る。
私のような初心者や最近多いらしい外国人観光客にもわかりやすいように、
盆栽の見どころ、すごいところ、大変なところ等が説明パネルに日本語と英語で書かれている。
初めての領域ではとても知的好奇心がそそられ、
こういった美術館の説明パネルなんかはつい、全部に目を通してしまう。
この後に中庭で実際の盆栽を見るための前勉強である。
ここに来たきっかけは偶然の思いつきでも、
作品を見るからには、それの良し悪しがわかる目を持って臨みたい。
何も知らずに見ては、
ふーん、
そうなんだ、
すごいね、
おもしろいね、
といった薄っぺらい感想で終わって、何も得られない。
せっかくなら、
これのココがすごい!
ここが拘ってるポイント!
ここの表現を出すのは難しい等、
評価とまではいかなくとも、
自分で見て、好き・嫌いが言えるような、
すごいと言われている作品がなぜすごいのか、
くらいは分かる頭と目を持って見させてもらうのが礼儀だろう。
まあこの、
知った上で見たい、
見た上でわかりたい、
という感覚はINTJという私の性格タイプに由来しているのかもしれない。
書いてあった内容はざっくりとこう
・盆栽には針葉樹である松や真柏の松柏盆栽と
その他の雑木盆栽で大きく二分される。
・見どころは、根、幹、枝、葉それぞれにある。
・根は八方に伸びているものが良く、盛り上がりから歳月を感じられる。
・幹は根から枝までの立ち上がりに迫力が出る。厚く層になった幹肌にも注目。
•枝は全体のバランスをとるのに重要。
無駄な枝、見苦しい枝がない盆栽が良いとされる。
・葉は全体の印象を大きく変える。
生きている木なのでもろろん秋には紅葉もするし(もみじ)、実もつける(姫りんご、花梨)
・ジン、シャリ
歳月を重ね、一部の枯れた幹や枝から見える白い肌によって葉の緑色とのコントラストが出る。
他の人が5分で素通りするところを30分くらい読んでいたかもしれない。
庭園の盆栽は写真を撮って良いようだ。
正直、盆栽といったら松くらいしか知らなかったが、
木の種類もさまざまで、
もみじ、いろょう、花梨、欅、ヒノキ、杉まであった。
松も一種類ではなくて、蝦夷松、黒松、赤松、五葉松。
同じ種類の木でも1つとして同じ作品はなく、すべてが歳月をかけ、手間暇をかけた作品であることが一目見てわかった。
数年に一度、植え替えなんかも必要らしい。
木が健康に成長するために、根に水や空気が通りやすくするためだそうだ。
冬には霜が下りないように毎夜根元に毛布をかける。
正面から見てきれいな段になるように、細かい枝を剪定し、見栄えに影響する葉はカットする。
ただそこに生えていただけでは成り得ない、
自然でありながら完璧に"作られた作品"だった。
昔は爺臭いなんて思っていた頃もあったが、今ならわかる。
人がその人生かけて打ら込めるだけの
趣味たり得るな、と。
なんならその人一代では終わらない。
樹齢150年、200年なんてザラにある。
一番長寿で800年なんてのもあった。
甘く見ていた。甘く見えてすらいなかったのかもしれない。
少なくとも、
坊主頭の少年が野球でホームランかっとばして、軽々しくぶつけて良いような代物ではなかったのだ。怒られて当然だ。
彼らが作品を息子、娘と呼ぶのは、あながち比喩ではないのかもしれない。
今回新たな世界の扉を開いた。
世界は予想以上に横に広く奥に深いものだった。
とても自分が軽い気持ちで始められるようなものではなかったが、少なくとも、盆栽というものの見方は変わった。
こんな感動が入館料310円で味わえる大宮盆栽美術館、
皆も是非、人の少ない平日に足を運んでみてはいかがだろうか。
最後に写真を何枚か
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