覚書:トークナイザーとその種類
トークナイザーは、自然言語処理 (NLP) において、文章をトークンと呼ばれる最小単位に分割するためのツールです。これにより、機械学習モデルが文章の意味を理解しやすくなります。特にディープラーニングにおいては、トークン化の精度がモデルの性能に直接影響を与えるため、トークナイザーは非常に重要です。
トークナイザーの種類
トークナイザーにはいくつかの種類があり、それぞれに特徴と利点があります。以下に、主なトークナイザーの種類を紹介します。
1. Byte-Pair Encoding (BPE)
特徴: 頻出する文字列のペアを統計的に結合して、サブワード単位のトークン化を行います。
利点: 語彙サイズを削減し、未知語(モデルが初めて見る単語)にも対応できる。
使用例: 圧縮アルゴリズムから発展し、NLPに応用されています。
2. WordPiece
特徴: BPEに似たアルゴリズムですが、統計的な尤度(確率)に基づいてトークンを選択します。
利点: 言語的な意味をより深く反映するトークン化が可能。特に未知語に対して柔軟です。
使用例: BERTなどの有名なモデルで使用されています。
3. SentencePiece
特徴: 言語に依存しないトークナイザーで、サブワードレベルのトークン化を行います。テキストの事前処理が不要な点が強みです。
利点: 生テキストから直接学習可能で、多言語対応にも優れています。
使用例: GoogleのNLPモデルで広く使われています。
トークナイザーの重要性
自然言語処理において、適切なトークナイザーの選択は、モデルの性能向上に大きく貢献します。特に日本語のような分かち書きがない言語では、トークン化の精度が重要です。また、多言語モデルを扱う際も、言語に依存しないトークナイザーが求められます。
結論
トークナイザーは、自然言語処理の基盤であり、適切なトークナイズが行われることで、モデルのパフォーマンスが飛躍的に向上します。特にサブワードトークナイザーは、未知語問題や語彙サイズの削減といった課題を解決するための効果的な手法として広く使用されています。