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『グスコーブドリの伝記』おすすめ文 –ネタバレ無しで本作の読みどころを語る!

1・『グスコーブドリの伝記』の伝記を読んで泣けたので、皆さんにもおすすめします!

この記事は宮沢賢治の『グスコーブドリの伝記』のおすすめ文です。

事前に内容を知りたくない人に向けて、ネタバレ無しで私なりに本作の読みどころを書きます。
読後の感想は別の記事で上げますので、ぜひそちらも読んでみてください。

2020年夏、私は東京都足立区の舎人図書館さんと読書会を開催することになりました。しかし、コロナ禍でオンライン開催を余儀なくされたこともあって、図書館関係の方と私のみで練習を兼ねたテスト会を企画、テーマとして宮沢賢治を選びました。

宮沢賢治と言えば知名度は高いし、童話や詩も多いので誰にとっても触れやすく、発表内容よりオンライン環境や司会進行の確認が重要なテスト会に向けて、参加する人たちの負担も少ないだろう、と言うモクロミもあったのです。私自身、小学校か中学校の教科書で読んだ記憶がある『グスコーブドリの伝記』なら、無理なく紹介できるだろうという気持ちもありました。
しかし、そんな経緯で『グスコーブドリの伝記』を数十年ぶりに再読してみると、予想外に号泣してしまいました💦💦💦

勝手に安全パイ的な予想をしてましたが、宮沢賢治を完全になめてました。宮沢賢治とファンの方々にお詫びしたい気分です💦

その後、読後感想を深めようと、宮沢賢治の思想や人生に触れる記事や書物を読んだところ、賢治の悩みや矛盾に触れて、さらに深掘りも出来ました。

そんな経緯もあって、読書会だけでなく多くの人に読んでもらいたい、せっかく読んだので語りたい、という気持ちから、この紹介文や別の記事として感想文を上げていきます。

では、まずおすすめ度や読みどころを比較しやすいように、図表を掲載します。
なお、評価値や着眼点は当舎比です。

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点数をつけてみると、すごく高得点になりました。
以下でおすすめポイントをもう少し掘り下げてみます。

2・特におすすめしたいポイント

上記の表とかぶる部分もありますが、特におすすめしたいポイントを解説します。

2-1・物語の一貫性が高くて読みやすい
何しろ本作は、短くて一貫性があるのでとても読みやすいです。(私が持っているちくま文庫版宮沢賢治全集8では41ページの長さ)
また、展開が早くて読者を飽きさせないし、物語と主人公の行動に共感できる点も読みやすさを増しています。さらに、話の盛り上がるポイントも明確なので、誰にとっても読みやすい作品と言えるでしょう。

2-2・宮沢賢治作品の入り口に最適
宮沢賢治は知名度が高く誰もが知っている作家です。しかし、童話をいくつも書いていることから子供向け作家と思われていたり、教科書に載ったりした経緯もあることからなんとなく近寄り難いと思う人もいるかもしれません。
また、最も有名な作品である『銀河鉄道の夜』は、映画にもなっていることから手に取る人も多いですが、イメージシーンが多いことから意外と読みにくい作品でもあります。そのため宮沢賢治ちょっとニガテ💦と思ってしまう人もいると思います。
そんな宮沢賢治失敗経験がある人や、宮沢賢治って有名だし一つくらい読んでみるか、という人にこそ『グスコーブドリの伝記』はおすすめしたい作品です。

2-3・望めば世界がどんどん広がる
宮沢賢治は作品を何度も書き直した作家としても知られています。『グスコーブドリの伝記』も発表された形態だけでなく、発表前に書かれた『グスコンブドリの伝記』や、関連作品として『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』などが知られていて、宮沢賢治の作品集にも収録されていますから、読み比べてクロスオーバー的に楽しむことができます。
また、マンガ化、アニメ化もされているので原作と比較しながら見るのも楽しいと思います。
さらに深掘りしたい人は、宮沢賢治の思想や人生などを研究・考察した多数の著作を見るのも興味深いでしょう。
また、ネット上には作品を朗読した動画もいくつか上がっているので、音から本作を楽しむこともできます。宮沢賢治は擬音や効果音の使い方にも特徴がある作家ですから、耳から入るのもおすすめです。

3・注意点

1930年代に書かれているので、「たうたう=とうとう」、「ちゃうど=ちょうど」など仮名遣いの違いはあり、なじみがない人に取っては読みにくさを感じるかもしれません。
また、クーボー大博士の登場シーンや一部の科学的な描写については、表現的に「ちょっと何言っているかわからない…💦」と感じる人もいるかもしれません。でもそのあたりは飛ばして読んでも全然問題ありません。
私もクーボー大博士は「ちょっと変わったオッサンだけど、いわゆる天才なんだろうなー」…と感じてブドリの技術者としての成長と一緒にマンガにしてみました。

ブドリオタク道

※上記は二次創作として理解してください💦 クーボー大博士は街の平和を守り、教育を提供する立派な人です💦

また、本作の内容は感動を誘うとともに、ややモヤっと感を生み出すこともあるかもしれません。
私自身も今回再読して大粒の涙が出るほど感動しましたが、ある展開について深く考えざるを得ない部分がありました。ここではネタバレしない前提なので詳細は記載しませんが、感想として別の記事に書いたので、そちらも合わせて読んでみてください。
「『グスコーブドリの伝記』の感想1」

4・まとめ とにかく一度読んでみて!

いろいろ書きましたが、何しろ『グスコーブドリの伝記』は、面白い!読みやすい!語りやすい! 本好きな人にとってとても魅力的な作品です。
また、有名作品なのでいろんな形で出版されていて、どの図書館にも必ずありますから、お金をかけなくても待たずに読める!という大きなメリットもあります。
ぜひこの機会に、『グスコーブドリの伝記』を読んでみてください。


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