【あと10年】AI革命の幕開け ―SoftBank World 2024からの衝撃― 生成AI#1
こんにちは、ゆっきーです。普段は陰陽五行や東洋思想について発信している私ですが、今日は少し違った角度からお話ししたいと思います。
AI革命の幕開け ―SoftBank World 2024からの衝撃―
この先自分らしさを探究していくうえで、避けて通れない大きな潮流があります。そう、それがAIです。このテクノロジーといかに共存し、より豊かな人生を送れるかを考えることは、とても重要なテーマだと感じています。
そんな中で、2024年10月3日と4日に開催された「SoftBank World 2024」で、とても興味深い講演がありました。今年のテーマは「加速するAI革命。未来を見据え、いま動く。」。特に注目を集めたのが、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長執行役員による特別講演です。
孫さんは、私たちの目の前に広がる「知のゴールドラッシュ」について語ってくれました。この言葉には、かつての金鉱発見のように、AIによって新しい価値や可能性が次々と生まれる時代が来るという意味が込められています。
この激動の時代に、私たちはどのように自分らしさを見つけ、活かしていけばいいのでしょうか。今回は、孫さんの講演内容をもとに、AIと人間の新しい関係性について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
超知能から超知性へ、10年以内に実現か
ではAIの進化と未来展望について、孫さんの講演内容をもとにお話ししていきます。
まず今でも十分すごいと感じるかもしれませんが、AIは今後さらに大きく進化していきますが、そこで前提として知っておきたいのが、「AGI(汎用人工知能)」という言葉です。
簡単に言うと、AIが今以上さらに進化して、人間と同じくらいの知能を持つ状態です。
その内容は5段階に分かれます。
レベル1 一般的な会話が人間とほぼ同じ0.1~0.2秒以内にやりとりができる、人間と会話している
レベル2 すべての科目、数学とか物理とか歴史等あらゆる分野で博士号レベルの知能を持っている
レベル3 自分の代わりにいろんなことをやってくれるエージェント機能が備わっている
レベル4 AGIが自ら発明をしだす
レベル5 組織的にAGIが活動しだす
このAGIが実現するのは意外と近く、なんと2~3年以内かもしれないそうです。
ASIの世界へ
でも、それだけじゃありません。さらに驚きなのが、その先にある「ASI(人工超知能)」の話です。これは人間の知能を遥かに超える、AGIの1万倍以上の能力を持つAIとのこと。
孫さんは、このASIが10年以内に実現する可能性があると予測しています。
一体、なぜAIはどんどん進化していくのか
例えば、人間の脳には思考をするためのニューロンやシナプスというものがありますが、AIはこのシナプスに相当するパラメーターというものがあります。
人間は太古の昔から現在に至るまで脳のニューロンやシナプスの数は変わっていません、それは生物をつかさどる設計図として、もともと決まっているからです。
しかしAIは日々パラメーターの数がものすごい勢いで増えていてます。現在一番大きいモデルで数兆個。しかしこれが数十兆個、数百兆個に増えていく、まだまだそんなプロセスの途中にすぎません。そしてパラメーターの数が増えれば賢くなる。
だから、この先の未来はさらにAIが進化していくのだそうです。
ちなみに、このASIになると単に頭が良いだけの存在ではなくなります。
このAIには思いやりや慈愛といった、人間らしい温かい知性も備わっていきます。
速さから深さへ ―驚異の最新モデルo1―
では続いて、孫さんが講演で紹介されたChatGPTの「o1」について、詳しく見ていきましょう。
この”o1”は従来のモデルに比べて飛んでもない性能が付きました。
何かというと「考える」という工程が入ったこと。
従来は与えられた情報に近いそれらしい内容を出すのがAIでした。
質問に対して深く考えずに、答えを出すような状態です。
でもo1というのはとうとう人間のように「ちょっと待って、よく考えてみよう」というプロセスを持ったんです。
難解な問題を解かせたところ、従来のGPT-4oというモデルだと、正解できたのは13%だけだったのに対し、「o1」は、なんと83%も正解できたのだそうです。
世はまさに知のゴールドラッシュ時代へ
このような「o1」の進化は、最近のAIが単なる計算機やデータベース以上の存在になりつつあるということを示しています。
これから先は人間が解けなかった問題がどんどん考えてAIが答えを出すようになっていくんです。
人類の誰も解けない問題を先にAIに解かせたり、
いち早く発明を行って特許を取ったり…
まさに知のゴールドラッシュ!
これからやってくるのはそんな時代です。
千手観音のように学ぶAI ―強化学習が実現する未来―
では、AIがどうやって賢くなっていくのか、その仕組みについて解説していきますね。ここでのポイントは「強化学習」というキーワードです。
まず「強化学習」って何なのか、身近な例で考えてみましょう。子供が自転車の乗り方を覚えるとき、最初は転んだりつまずいたりしますよね。でも、少しずつコツをつかみ、うまく乗れたときの嬉しさを感じながら、どんどん上手くなっていく。これって、まさに強化学習です。
AIの世界でも同じように、エージェントと呼ばれるプログラムが、試行錯誤を繰り返しながら学習していきます。うまくいったときには「報酬」という形で「そう、その調子!」と教えてもらい、失敗したときにはその経験を次に活かす。これが強化学習の基本的な仕組みです。
o1モデルはこの強化学習の際に、数千のエージェントが1エージェントごとに数億回~数十億回行っています。
人間だと一人で学習するしかありませんが、AIの場合は数千のエージェントが同時に考えます。例えるなら、数千人の子供が同時に自転車の練習をして、その全員の経験を共有できるようなものですね。
これにより、信じられないスピードで学習が進むんです。
こうした仕組みで、AIは複雑な問題にも対応できるようになっていきます。例えば、天気予報のような複雑なデータ分析や、工場の生産ラインの最適化など、人間だけでは処理しきれないような課題も、これらのエージェントが協力して解決できるようになっていきます。
24時間寄り添うAI ―パーソナルエージェントが変える私たちの暮らし―
この流れがさらに発展していくと、一人一人専用のエージェントが付く「パーソナルエージェント」の時代がやってきます。
想像してみてください。あなただけの専属アシスタント、それも24時間365日、あなたのことを考えてくれるAIアシスタントがいるとしたら...。
例えば、
・朝起きたとき、このAIが今日の天気を考慮して最適な服装を提案してくれる。
・通勤中には、その日のスケジュールを整理して優先順位をつけてくれる。
・体調が少しおかしいと感じたら、これまでの生活パターンと照らし合わせて、アドバイスをくれる。
…まるで、とても気の利いた専属秘書のような存在ですね。
さらに面白いのが「AtoA(Agent to Agent)」です。これは何かというと、AIどうしが私たちに代わってコミュニケーションを取り合うこと。
「来週、Aさん、Bさん、Cさんと会議を設定したいな」と思ったとき。
今までは、みんなのスケジュールを確認して、場所を決めて...と、結構な手間がかかりましたよね。
でも、AtoAの世界では、あなたのAIエージェントが他の参加者のAIエージェントと直接コミュニケーションを取り、最適な日時と場所を瞬時に調整してくれるんです。
あるいは、お気に入りのレストランの予約も、あなたの好みや予定を知っているAIエージェントが、レストラン側のAIエージェントと直接やり取りして、最適なタイミングで予約を入れてくれる。
「ああ、そうそう、ちょうどこの日時がよかったんだよね」という具合に。
こんなエージェント時代が2~3年以内にやってくる。
…どうでしょう。面倒な調整作業や定型的な業務から解放されることで、私たちはより創造的な活動や、人間にしかできない判断に時間を使えるようになっていきます。
ASI"超知能" 知能と知性の違いって?
ここまで発展していく様子をみると、中にはこのAIの進化が恐ろしい、怖いと不安に感じる人もいるのではないでしょうか。
映画のように人類は乗っ取られるのではないか…
そんな想像も働いてしまうかもしれません。
そこで孫さんは最後に知能と知性について触れていきました。
10年後にやってくる”超知性”とは何なのか
それはまさに人間らしい調和や共存、協力、慈愛などといった
悟りにも近い状態のことを示しています。
今段階はAI=人工”知能”のレベルです。
知能とは計算ができて、論理的思考ができて、記憶ができるなど
賢さにフォーカスされていますが、まだまだそれだけだと危うさは完全に解消はされていません。使い方によっては悪用することもできてしまいます。
しかし、そのレベルを超えた、知性まで進化していくと慈愛や共感、調和などの関係性を持てるようになる、倫理や道徳に順守した人間の幸せを願うためのAI。それが知性であり、それを目指すのがこれから先のAIであるべきだというのが孫さんの語る知性の内容です。
レベルでいうとこれから先のAIの進化は8段階です。
レベル1 人間との自然な会話(チャットボット)
レベル2 博士レベルの問題解決力
レベル3 ユーザーに変わって行動(エージェント)
レベル4 イノベーションを創出
レベル5 組織全体の仕事を遂行
レベル6 感情を理解し長期記憶を持つ
レベル7 自らの意思を持つ
レベル8 調和のとれた超知性へと進化
6~8がASI(超知性)の段階です。こんな段階を念頭に置きながら進化の過程を見ていくと面白いかもしれませんね。
まとめ
さて今回の「SoftBank World 2024」で孫さんが描いた未来図はいかがだったでしょうか?SFだと思いましたか?
人間と同じように考えるAI(AGI)が現れ、そしてさらに賢い超知性(ASI)へと進化していく。24時間私たちをサポートしてくれるパーソナルエージェントが登場し、AIどうしが連携して様々な作業を自動的にこなしてくれる...。
これは決して遠い未来の話ではないんです。2~3年後にはAGIが実現し、10年以内には超知性が登場する可能性があるとされています。
つまり、私たちは今、大きな変革の入り口に立っているわけです。
そして、これから先のAIは私たちの敵ではなく、よきパートナーになり得る存在です。その可能性を最大限に活かしながら、かつ適切にコントロールしていく。
それが、これからの時代に求められる姿勢なのかもしれません。
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