『聴読中国語』まるごと听写した感想🐵
2023年8月、『聴読中国語』の听写を完走しました。
2022年の4月に始めて、途中で5ヶ月間他のテキストに浮気。基本的に週末のみ取り組んで、1年5ヶ月(実際には丸1年)かかりました。
聴き取れなくて挫けそうになることもあったけど、楽しかったです。
人生で初めてテキストまるごと1冊听写を達成したので、記念に感想など、思ったことをつらつらと書き連ねてみたいと思います。
※いち学習者の、超個人的な素人感想です。
『聴読中国語』とは
まずはテキストのご紹介をします。
『聴読中国語』は、東進ブックスより出版された津田量氏著の中国語学習教材です。
テキストの構造は、①中国語本文、②日本語訳、③新出単語の語釈となっており、精読の練習にぴったりだと思います。
序文で推奨されている学習方法としては、①音声を聞きながら本文を読む、②日本語訳と語釈を見て意味を理解する、③音声に倣って繰り返し音読する、④音声を聴いて意味が分かるようになるまで何度も聴く、とされていました。
わたしはそのご提案を無視して、いきなり听写から入ってしまったので、ほんとすみませんという気持ちです。
レベルとしては、HSK6級・中検2級〜準1級・センター試験8割の語彙力養成を目標にしていると書いてありました。これだけ聴くとめっちゃ難しく思えますが、テキスト序盤はHSK1~3級レベルからスタートし、徐々に内容が難しくなっていくので、自分のレベル・学習状況に合わせて利用できると思います。
テキストのすべての文章・語釈(単語のみ)に音声がついていて、東進Web書店のHPからダウンロードすることができるようです。
わたしはこの事実を知らず(たぶん購入した当時はまだDL音声なかったと思う…)、テキスト付属のDVDからPCに音声DLして、お気に入りの音声再生アプリに取り込んで利用しました。便利な時代になりましたね。
難易度はちょうどよかった
わたしは中検2級&HSK6級取得済でこの听写を始めました。听写じゃなくて精読と音読だけなら、もっと早い段階でも読めると思います。
听写するなら、ある程度のレベルがないとしんどいかもしれません。聴こえなすぎるとほんとヘコむから…。
速読音声で听写はしんどい
『聴読中国語』には、通常音声と速読音声が収録されています。
序文で推奨されている利用方法としては、一通り通常音声で学習を終えた後に、速読音声を繰り返し聴いて耳を慣らすとよいとのことです。
わたしは初めから速読音声での听写を試みました。前半は速読でも問題なかったのですが、後半になるにつれて文章の難易度も上がってきて、速読だととても難しく感じました。
聴こえなさすぎてベコベコにヘコんだので、無理せず通常音声でいいなと思い、途中からは通常音声で取り組みました。
話題はけっこう古め
かなり昔の教材(2008年初版)なので、扱われる話題が古いなと感じました。(FAXが最新の通信手段として出てくるし、中国では料理を食べ残すのが普通みたいなことが書いてある)
これはわかった上で取り組んでいたので、自分としてはOKでした。“古典”として楽しみました。最新の話題をやりたいなら『時事中国語の教科書』などをやればよいでしょう。
でもこの点はネックだと思うので(試験対策には時事ネタ押さえておいたほうがいいだろうし)、今からあえて他人に勧める必要はないかな、と思いました。
音声が不是我的菜だった
これは完全に個人的な好みなのですが、録音の男性の声が不是我的菜すぎました…。ほんとごめんなさい…。
この方のyinはyanに、cuoはsuoにしか聴こえなくて、正解が分かったうえで聴いても納得できないくらいでした。特に速読音声はクチャっとして聴こえて、知っているはずの単語まで聴こえなくてすごくイライラしました。
実際の会話で相手の声が好き嫌いとか言うてる場合ではないのですけどね…。
でも、好みの声でなくてもがんばって聴き取る努力ができた!という謎の自信はつきました。
日本語訳はやっぱりありがたい
テキストの文章には、すべてに日本語訳が付いています。
わたしは基本的に答え合わせの際、中国語文だけ見るようにしていましたが、「いまいちニュアンスがわかりにくいな…」というところだけ日本語訳を見て「なるほど、そういうことか!」とすっきりできたので、やっぱり日本語訳はありがたかったです。
序文でも明言されているのですが、単語の意味がわかりやすいように日本語訳は直訳的に書いてあるとのこと。意訳で自然な日本語表現にしすぎると、その単語や文法がどういう役割をしているのか?が分かりにくくなったりするので、これは助かりました。
最後に
いろいろ好き勝手言いましたが、総じて取り組んでよかったと思います。
中国語の入門・初級のテキストはごまんとありますが、中級以上のテキストとなると、一気に数が少なくなりますね。そんな中で、ある程度基礎固めが終わった人向けにちょうどよいテキストだと思いました。
コンパクト(B6変型判)で持ち運びやすく、外出先でも学習しやすかったです。
听写って楽しいですね…
聴き取れないとめちゃめちゃヘコむし、自分の弱点をまざまざと突きつけられるので、ほんまにおもしろいけどしんどい学習方法だと思います。
わたしの尊敬する某听写神もかつて仰せでしたが、听写は決して中国語学習の近道というわけではないと思います。それでも、そこに音声とスキットさえあれば書き起こさずにはいられない、不思議な魅力がありますね。
さて、次はどのテキストを听写しようかな!🤤