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《太陽のパスタ、豆のスープ》《グランメゾン東京》《M-1グランプリ2024アナザーストーリー》《相棒season23 元日スペシャル(第9話)》:えんため日記。(#69)



太陽のパスタ、豆のスープ 宮下奈都

どうせまた、私は悲しいのだ。破談の理由を聞くということは、譲さんが私と別れたいと思ったその気持ちを確認させられるということだ。想像するだけで頭の中が黒くなる。

「太陽のパスタ、豆のスープ」

宮下先生の文章はとても読みやすくて素敵なので、さらさらと読めてしまうのだけど、タイトルと表紙の可愛らしいイラストからは全く想像できない、《婚約破棄》からはじまる物語で、結構しんどめな主人公スタートである。

「おまえはほんとにばかだなあ。家で普通に食べるごはんってのがいちばんむずかしいんだよ」

「太陽のパスタ、豆のスープ」

おいしいものを普通に作って、普通に食べて、普通に《美味しい》と感じられる人は十分に幸せであって、その幸せはとても難しい。美味しい食べ物と共に、再生していく主人公《あすわ》の物語が愛おしい。テーマには少し苦しさがあるのに、さらさらと入ってくる宮下先生の文章がとにかく好き。

私が選ぶもので私はつくられる。好んで選んだものも、ちょっと無理をして選んだものも、選ぼうとしなくても無意識のうちに選び取っていたものも。譲さんを選んだのも、そして譲さんに選ばれなかったのも、私だ。私に起こった出来事だ。それらは私の一部になる。私の身体の、私の心の、私の人生の。

「太陽のパスタ、豆のスープ」

スペシャルドラマ「グランメゾン東京」

相沢「グランメゾン東京にはもう、あのころの輝きは無い。役目は、終わったんだ。これ以上、店や倫子さんの名前に泥を塗るより、潔く終わりにしたほうが良いと思ってる。」
京野「コロナで苦しんでるときに、俺たちがどんな思いで店を守ってきたのかを、お前、分かってんのか。」
相沢「京野さん。もう前を向こう。過去の店にしがみつくより、またこっちに来てさ。パリで一緒にやろうよ。」
京野「ふざけるな。」

ドラマ・映画・小説の中で、《コロナ・コロナ禍》を描いているものはたくさんあるけれども、帰ってきた「グランメゾン東京」も、コロナの影響を強く受けていた。《大人の青春》をテーマにしていて、全部《青春》の、熱いきらきらした言葉が散りばめられている。熱い。

明石「私、今メール返してるじゃないですか。」
京野「はい。」
明石「これ、1通1分で書きますけど、例えば、1時間かけたらもっと良い返事が書けると思います?時間をかけても、大して変わりません。」
京野「つまり、シェフが時間をかけても、料理は変わらない、と。」
明石「料理の世界は、考え方が古い。無駄な時間かけすぎですよ。ある寿司屋は10年修行しないとシャリを握らせてくれない。でもYouTubeで寿司の握り方を覚えてニューヨークで板前でもやれば、年収1000万なんて楽勝なんですよ。時間と労力はかけ方です。脳を使わず時間をかける。これバカがやることですから。」

そして「室町無頼」にて、大名役をされているのを見た北村一輝さんが、「グランメゾン東京」では資本提携を結ぶ《嫌な社長》の役をされていて、本当に似合い過ぎていた。もちろん「グランメゾン東京」側として見てしまうので、すっごい嫌なやつ!と思ってしまうけれど、言っていることは、めちゃくちゃ《現代の出来る社長ってみんなこんな感じなんだろうな》社長そのもので、言い方は本当に嫌すぎるけど、言いくるめられてしまいそうになる台詞ばかりだった。

苦しいシーンも沢山ある中で、朝倉あきさん演じる妻と、玉森裕太さん演じる祥平が、お家で過ごす穏やかな時間が、とても良いシーンだった。朝倉さんは本当に声が素敵で大好き。


M-1グランプリ2024アナザーストーリー

王者になったコンビって、メディアだったりとかそういう、テレビをはじめ、色んなところの仕事っていうのを、シフトしていく中で、大体600~700くらい年間で立ったんじゃないかと。

令和ロマンのマネージャー駒井さんのお話

令和ロマンのマネージャーさんが、顔出しで2024年の令和ロマンの活動について話されているシーンがあった。テレビをはじめとした様々な媒体で活躍されることが、そういった道を選ぶことが決して悪いことではないし、むしろ、もっと色んなところで沢山見たい、というファンの人もいるかもしれないけれど、お笑い素人なので、単純に《600~700》という数字が、凄すぎて。《来年も出ます!》を実行し、そのために、ストイックに磨いてこられた令和ロマンの密着、とても良かった。



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