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嘘つきの記憶から自由になって前に進もう

「あの出来事を思い出すと今でも苦しい」とか「あの人に言われたことが悔しくて忘れられない」とか、自分の記憶にいつまでも苦しめられている人は多いのではないでしょうか。

でも、記憶ほどあてにならないものはなく、記憶はあとになって作られたものかもしれないと聞いたら、どう思われますか。


「記憶はウソをつく」の著者である心理学者の榎本博明氏は、「最近の研究では、記憶が必ずしも真実ではないことが明らかになってきている」と述べています。

記憶は、後で入ってきた情報や、現在の心理状態の影響を受けて刻々と姿を変えてしまうことがある」というのです。


確かに、辛かった経験を人に話しているとき、「それは大変だったわね」などと言われると、自分でも無意識のうちに話を盛ってしまって、かわいそうな自分が誇張されていくような経験はありませんか。

でも、例えば、人から言われた酷い言葉が、本当はそんなことを言われたわけではなかったり、自分が勝手に誤解していただけだとしたら、ずっとその誤った記憶に縛られていることが馬鹿馬鹿しくなりますよね。


勿論、記憶のすべてが嘘ではないかもしれませんが、大事なことは辛い記憶を水に流して、心が自由になれたときに、人は前に進むことができるのです。

同じような体験をしていても、いつまでも記憶の中にあるネガティブな感情をひきずって辛い想いをしている人がいる一方で、過去の話として「そんなこともあった」と淡々と客観視しながら語ることができる人もいます。

人は、自分の意識を向けた方向に進んでいくので、いつまでも辛い記憶を思い出しながら、そこに感情まで再現していると、同じような辛い経験を繰り返してしまうことになります。

まずは、自分がどうなりたいかという理想の未来をイメージし、それが叶ったときの感情にフォーカスすることで、過去の辛い記憶さえも書き換わってしまうことを感じてください。

あのときは辛かったけど、あの経験があるから、色々なことに気づいている今の自分があると思えたら、過去の認識が変わりますよね。

カナダの精神科医エリック・バーンの「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」という有名な言葉がありますが、過去の記憶は自分次第で変えることができるので、過去を変えることで、現在の自分を自由に解き放ち、未来に羽ばたいていけるのではないかと思うのです。

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