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海外移住をするということ

海外生活14年を過ぎて

ブラジルに移住して14年。今は子育ても一段落し、仕事もして、経済的にも余裕ができたので精神的にもいい状態にあります。でも14年間ずっとそうだった訳ではなく、辛い時期も長かったです。今振り返って思うことを書こうと思います。

辛かった時期

夫が会社を立ち上げ最初はそこそこ上手くいっていました。でも少しずつ傾き、しばらく経営が苦しい時期がありました。私はポルトガル語もあまりできず、子供がまだ小さかったこともあり、専業主婦だったので他に収入がなく、生活がどんどん苦しくなっていきました。

夫は毎日暗い顔をし、私も毎日お金の心配ばかりしていました。毎日の生活がやっとの状態が何年も続き、夫婦の会話もほとんどなくなっていきました。日本にも帰れない。親しい人もいない。ずっと目の前が真っ暗な毎日でした。この時期に感じたことは、とてつもない孤独感でした。宇宙の中でたった一人ぽつん、といるような感覚。唯一生きる喜びを与えてくれたのが、子供たちでした。「この子たちに私は必要とされている」と思うことで頑張れたのだと思います。

海外での孤独感はキツイ

海外で仕事をする意味

そんな状態が続き、ふと「仕事がしたい」と思うようになりました。少しでも自分の収入が欲しい、というのが一番の動機でした。日系人が多い地域ということもあり、日系人団体に連絡をしてみたところ運よく採用してもらえました。

家庭以外で自分の存在が認められる場所がある、というのは日本以上に海外では大事なポイントだと思います。知り合いも増え、自分が何かの役に立っているという思いが自己肯定感につながり、目の前がぱっと明るくなっていきました。

社会とつながり、自立し、何より自分の存在が認められるという点で、海外移住先で仕事は絶対したほうがいいと思います。「家庭以外にも自分の居場所がある」ことは、とっても大事なことです。

語学も大事だけど

私のポルトガル語は、生活するには不自由ありません。日々の生活にも困っていませんし、子供の学校の先生とも問題なくコミュニケーションが取れます。

ただ、現地の親しい友達ができるほどではありません。日本でも大人になってから仕事以外で親しい友人を作るのは難しいと思いますが、海外ならもっと難しいと思います。現地の人なら私の言語力が不足しているし、ブラジル在住の日本人もたくさんいますが、日本人というだけで親友になるってこともないですよね。
この先、親友と呼べる人ができたらいいな、と思っています。

海外で暮らしていくには、語学ができるのはもちろん大事です。でも、大切な家族がいて、自分の存在が認められる仕事があって、人とのつながりがあれば、多少言葉に不自由しても全然大丈夫だと思います。もちろん移住先の国の人と文化をリスペクトするのが前提条件ですが。次回はそのあたりを書きたいと思います。


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