【ログポース的キャリア観】

ここ数年、教育委員会や大学教員の知人と、趣味で教育について深める会をしている。
今年度のテーマはキャリア教育で、基礎的汎用的能力、生きる力、IB教育などについて調べたりなんだりしながら「キャリア教育って結局何だ?」「本当に育むべき力は何なのか?‥」と、あーだーこーだ議論に興じている(楽しい)。

毎度色々な気づきや学びがあるのだが、今回ふってきた気付きは、かの有名な漫画ワンピースに出てくる「ログポース」が、現代のキャリア観のメタファとしてしっくりくるのでは?というものだった。

知らない人たちのために少し説明をすると、ログポースとは一種のコンパスのようなものだ。

冒険の主たる舞台であるグランドラインの最奥に向けて、ルフィたちは島々を次々に冒険していく。その旅路の道しるべとなるもの。それがログポースである

特徴的なのは、針が絶対的な方角を指し示すのではなく、行くべき次の島を示すという点だ。しかも、島Aについたとて、すぐ次の島Bをログポースが指し示すのではない。島Aで相応の時間が経過しないと、針は次なる島Bを指し示してくれないのだ。

ちなみに冒険の後半で使うログポースについては、なんと針が3つある。次の島の候補が3つ示されるのだが、そこからどこを選ぶのかは直感に委ねられることになる。

現代人のキャリアも似たところがあるような気がする。
最終的な目的地がどこにあるかなんて、なかなか分からない。自分が究極的にどこを目指したいかなんて、一部の幸運な人にしかきっと見えない。

でも、自分の次に進む方向くらいは分かるかもしれない。

今自分がいる場所で相応の冒険や経験を経たとき、「ログ」が溜まり、次はこっちかも?という予感が生まれる。それも多分一つではなく、複数。

その中から一つを最終的には感性で選び、そして新天地でまた暫く時を過ごす。その新たなフィールドでログが貯まるまでの時間は、本作さながらおそらく様々だ。
そしてログがまた溜まった頃、次のステージへの扉が開かれ、キャリアのトランジション(移行)が起こる‥。

勿論中にはログが溜まっても、ある島が気に入ってずっとそこに居続ける人もいるかもしれない。
ずっと冒険し続けるのは多分疲れるので、それはそれで素敵な在り方だと思う。
でも例えば子育てが一段落してふと忘れていたログポースを見た時に、その針が指し示す方向へ、また冒険に出たくなるかも知れない。勿論出なくてもいい。冒険者とて、いずれどこかに腰を据えるのだから。

そこが最終目的地だと思ったのならば、きっとそこがあなたにとってのラフテルなのであろう。

(※ラフテル=ワンピースにおける当面の最終目的地)

以上です。
結構気に入ったので多分暫く使い倒します笑

<余談>

コミック派なので最新話の動向については把握できてないけども、最近本編にログポーズが出てきてないように見受けられる。
おそらくルフィたちにおいては、「ログポースに頼った旅」からもう卒業したのではないだろうか。

一般冒険者風のキャリアにおいては「ログポース的キャリア観」は成立するように思うが、四皇や海賊王クラスになると、もはや違うキャリア観に立って人生という旅路を歩むのかもしれない。

そんな世界も、そのうち見てみたいなぁ。




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