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父のコンビーフチャーハン
今日6月28日は、私の父の命日でした。平成6年に亡くなったので、今年で多分27年です。
私の家は昭和の時代としては珍しく、母も結婚してからずっと仕事をしていました。なので私は小さい頃、父と過ごす時間も多かったせいか、父との思い出が幾つか残っています。
その一つが、父の作るコンビーフチャーハンです。私の父は大正生まれで、「男子厨房に入らず」の時代に育った世代です。でも、私の母が休日に仕事が入った日は、大抵は父がお昼ご飯にコンビーフチャーハンを作ってくれました。
父は元エンジニアでしたが、手先は器用ではなく、でも、コンビーフチャーハンだけは、
これしか、できないよ。
と、いいつつ、包丁を持って作っていました。
作り方は、
①玉ねぎ、ニンジンを5ミリ位のみじん切りにして炒める。
②炒り卵を作る
③コンビーフ缶を入れて、ご飯を入れて、
野菜、卵もみんな一緒に炒める。
④塩コショウで、味を整える
と、レシピは至ってシンプルでコンビーフの味がきいたチャーハンです。
そして父は、家にあったアーモンド型の入れ物にチャーハンを詰めて、パカっと型抜きして、
できたよー。
と、私と兄を呼んでくれました。
私は、わくわくしながら、夢中で食べていました。
そんな私たちを見ながら、穏やかな父の顔が、ちょっとほころんでいたように思います。
今日は自分でコンビーフチャーハンを作りながら、父の穏やかな笑顔を思い出してみました。
お父さん、コンビーフチャーハン、
おいしかったよ。
思い出の味を残してくれてありがとう。