SOMPO美術館にて〜放浪の画家、山下清展〜
東京、新宿
SOMPO美術館の展覧会に行ってきました。
今日は放浪の画家として知られる山下清さん展。
山下さんは1922年、関東大震災後に生まれ、昭和を生きた。
吃音があり、やんちゃで幼くして実父が亡くなり、母と母子寮に入るも、吃音をからかわれて暴れてしまい、母は発達の遅れに気づき、発達障害の子どもたちの施設に預ける。
その後、いじめられた経験のためかなかなか環境に馴染めなかったが、好きなこと虫の絵を描くことには没頭でき、徐々に心を開いていった。
しかし、清さんには放浪癖があり、施設をでてリュックサック一つで各地を巡って、また戻るという生活をしていた。
◎ペン画
初期はサインペンの作品もありました。さほど精緻ではないけれど、昆虫好きの山下清さんが描いているらしくデフォルメされてどこか愛らしい昆虫でした。
しかし風景画は特に精緻になっていきました。
山下清さんは写生ではなく、見てきたものを帰ってから思い出して学園で描いていたようです。
◎貼り絵
展覧会のポスターにも使われた「長岡の花火」
花火はこよりを使って光を細かな線で表現していました。この緻密さは圧巻で、夜空に開く大輪の花火はもとより、観客一人ひとりも細かな貼り絵で描いていました
ヨーロッパへの視察から帰って、スイスの風景やこのタワーブリッジを貼り絵で作成したようです。
建物の描き方がとても精巧でしかも遠近感があり、今そこにあるかのように錯覚してしまいそうな完璧な作品でした。
◎感想
お盆休みのせいか、かなり美術館が混んでいて、当日チケットを持っていても30分くらい並び、美術館の中でも、小さな作品が並んだコーナーは特に人垣ができていました。
山下清さんのことは、以前から知的障害がありながらも素晴らしい才能を開花させた画家として知っていましたが、展覧会は初めて見ました。
昆虫好きが昂じて絵を描くようになり、いじめられたことで人つきあいが苦手になり、1人で過ごすことが多かったことで、逆に絵を描くことに没頭できたのかもしれないと、思いました。
とはいえ、障害があっても好きな分野に集中して研鑽を続ければ、すごいところに辿り着いてしまった山下清さんという方がいらしたことに驚き、そしてその素晴らしい作品にたくさん出会えて、有意義な時間を過ごせました。
その後、遅めのランチ。
今日は和食でした。
◎今も最後まで読んでいただきありがとうございました。