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大好きな先輩が次々辞める会社に取り残されて。

尊敬する大好きな先輩が、また一人会社を去っていく。

先輩は見た目はチャラいけど、丁寧な仕事をする女性だった。関西出身ならではの大らかさと愛嬌で取引先からも好かれていたし、入社2年目から大きな案件も任されていた。わたしは先輩の1つ年下だった。先輩に追いつくためにもこれから頑張らないと、そう思っていた時に「先輩が辞める」と聞いた。

いまより給料の安くて忙しく、規模の小さなベンチャー企業に転職するらしい。先輩はお金に厳しく、社内販売された化粧品には真っ先に飛びつく人だったのに。あのちゃっかりした先輩が、なぜ?不思議だったので先輩に聞いてみた。

「確かに給料は今の会社の方がいいけど、正直これ以上成長すると思えない。だったら給料安くても、ベンチャーで働いた方がいい。特に結婚や出産の予定もないし、いいかなと思って。笑」

グサッときた。憧れの先輩の「これ以上成長すると思えない」なんてことば、この時期に聞くのは結構しんどい。確かに最近わたしもある程度会社がわかってきた。できること、自分だけで判断できることも増えてきた。自由度は増えているはずなのに、「この日中の8時間があれば何ができるのか」と考えてしまう。ただの言い訳かもしれないけど、現状に満足しきれていない。先輩の転職理由も、悲しいくらい共感できた。

大好きな先輩が辞めたのは、これが初めてじゃない。2年前から少しずつ、先輩たちが転職する姿を見送ってきた。先輩だけじゃない、ランチによく行っていた同期や、いろいろ教えていた後輩まで旅立っていった。もはや「見送る」より「取り残されている」の方がふさわしいくらい、たくさんの人が辞めていっている。

もちろん退職するだけが正解じゃない。ただこの会社に残り続けるのが正しいか分かっていない現状、転職を1つの選択に入れるのはありだ。

いつまでも取り残されたままでいつづけないように、久々に転職サイトを開いてみた。ちゃんと将来を考えたいと思えた金曜日だった。

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