深夜の羽田空港、イヤホンなしで動画を見る人へ
深夜の羽田空港(国際線)は無礼講だらけだった。7月5日(金)の朝5時羽田発〜台湾着の便に乗るため、羽田空港の出発ロビーで夜を明かした。空港には席が多く木曜深夜で繁忙期ではなかったので、それなりに睡眠が取れるだろうと考えていた。
当日の深夜1時頃、自分の見込みは甘かったと知る。席がないのだ。運のいい乗客たちは、席を2-4個横断して寝っ転がって使用している。一方1時以降にくる乗客は、残りの座席を奪い合わなければいけない。1個の席すら確保できないのだ。ただ流石に睡眠なしはしんどいため、出発ロビーを2往復ほとしてようやく座席を1つ確保できた。ようやく睡眠がとれる!!早速眠ろうとすると、後ろから邪魔が入った。
イヤホンをせずに動画を見ている人の音がうるさいのだ。甲高い韓ドラの女性のセリフや、女性が英語で長電話、ものまね動画の音とそれを見てわらうカップルの笑い声……。本当にうるさかった。せめてイヤホンをして動画を見てほしいけど、結局それぞれが眠るまではスピーカーにしたまま映像を流していた。頑張って寝ようとしたけど、周囲の音がやはり気になってしまい、全然寝られなかった。
朝の通勤電車などでは、イヤホンをせずに動画を見る人は居ない。昼間のカフェでも同様だ。それなのに深夜の空港でイヤホンをつけない人が一定数いるのは、「世界の専有感」を味わえるからだと思う。
普段多くの人がいる施設でも、深夜になれば利用者はぐっと少なくなる。そこに自分がいれば、広いスペースを貸し切ったような優越感や特別感が生まれる。そのため、イヤホンなしで動画を見て深夜でもおしゃべりするなど、普段しないような行動さえついやってしまうのではないか。
深夜は、昼間の時間には全く思いつかなかったアイディアが浮かんだり、今まで見逃していた課題に突然気づいたりする。時にミラクルを起こしてくれる魅力がある。
ただ深夜の羽田空港国際線のように、周りの人への配慮をわすれて自分の世界へ入り込んでしまう可能性がある。そのため深夜に生まれた素晴らしいアイディアでも、一度昼間に冷静になって確認したりするほうがいい。周りへの考慮を忘れなければ、きっと周りはより大円してくれるだろう。