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「シェフの気まぐれ」は気まぐれじゃない

「気まぐれ」と書かれた料理に弱い。シェフの気まぐれパスタ、漁師の気まぐれ丼などがメニューにあれば、どんな味付けか分からなくてもつい頼んでしまう。

ただ気まぐれと書かれたメニューは、本当に気まぐれなんだろうか?

気まぐれとは、思いつきの行動やコロコロ変化するものを指す。つまり気まぐれを名乗るメニューであれば、シェフが「今日はこれにしよう」と思いついたものを作ったり、「カルボナーラの気分だからメニューかえる!」と路線変更していなければならない。

ただ、おそらく本当の意味で気まぐれな料理を出しているところは少ないだろう。ほとんどが「エセ気まぐれ」のはずだ。

実際、過去行ったレストランでは、一年中メニューを変えていないのに「気まぐれパスタ」と名乗り続けていた。確実に気まぐれではない。誤認表記のため、速攻「計画的パスタ」に訂正すべきだ。

本当の気まぐれは誰もが手を出せるものではない。本来、気まぐれ料理は「実力者の特権」だ。気分や思いつきで、人がお金を払って食べたいと思える料理を作るのはかなりの努力が必要だ。

ただどのレストランにもすごい実力者がいるとは限らないし、本物の気まぐれに頼った運用はかなりのリスクがある。ただ気まぐれの威力は捨てがたい。そう考えると、気まぐれで考えたようなラフな料理のメニューを計画的に生み出す「エセ気まぐれ」を採用するしかないだろう。わたしの予想では、殆どの店の気まぐれ料理は、エセ気まぐれのはずだ。

その点、noteは本物の気まぐれに優しい。「つまらないな」と思われるリスクはあるものの、料理と違って失敗してもそこまで問題にはならない。

いつか偉くなってリスクを背負う日が来る前に(来ないかもだけど)、気まぐれ投稿を存分に味わうとしよう。

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