『別れの予感』短編小説🌸
桜はまだ咲いていないが
卒業式シーズンはすぐそこまできている。
私は床の上に寝転ぶと、窓の外の雲がゆっくり流れていく様子を見て呟いた。
『あーもう嫌になっちゃう。』
『これ返すよ。もう必要ないから。』
鍵を差し出された。
『なんで?本当にもういらないの?』
『うん。ごめん。もう…必要ない。』
そう言ってその場から去った後ろ姿。
勝手な奴。
手のなかの家の鍵がやけに重たく感じた。
なんとなくは気がついていた。
部屋の荷物が少しずつなくなるタイミン