【新型コロナウイルス対応下、医療者のメンタルヘルス①:二次性外傷性ストレスに気をつけて】
はじめに
多くの方が新型コロナウイルス関係の対応に追われていると思います。
今回はケアに携わっている医療者のメンタルヘルスについてご紹介します。
皆さんは「二次性外傷性ストレス(Secondary Trauma Syndrome)」という言葉を聞いたことがありますか?
二次性外傷性ストレス
「二次性外傷性ストレス」とは、一般的にトラウマをおった人のカウンセリングや治療にあたっている人に自然に生じるものと言われています。
トラウマを持つ方と関わり共感し支える中で、支えようとすることにより生じるストレスと言われていて、関わりを続けていく中で、知らず知らずのうちに、ケアを提供している側もストレスを感じたりすることになります。
今回、多くの方が現場で新型コロナウイルス患者と関わる機会があると思います。武漢では「新型コロナウイルス患者と関わった医療者の約40%に何らかのメンタルヘルス症状が生じていたとの報告もあがっていますし、このような患者さんと日々関わっている医療者の方も「二次性外傷性ストレス」を受けやすいと言われています。
欧米では、新型コロナウイルスに対応している医療者のメンタルヘルスを守るため、二次性外傷性ストレスを軽減するいくつかの方法が書かれていました。
以下にまとめています。
少しでもこの記事が皆さんのサポートになるよう祈っています。
患者さんのことを第一に考え毎日ケアにあたっている皆様へ、
どうかご自愛ください。
同じ医療従事者として共に頑張りましょう。
●自分の反応を認め、理解する
– 十分な休息の欠如、不規則な食事の予定、情報過多、仕事と個人的な責任の増
加、限られた資源など、自分が遭遇しているストレス要因の増加に反応すること
を認めてください。
– 自己憐憫の心を持ち、緊急事態の影響を受けた人のほとんど全員が心理的苦痛を
経験することを認識してください。これらの反応は決して弱さを示すものではあ
りません。
– この時期に支援する人は誰でも、二次的な外傷性ストレスの影響を受けやすく、
看護師であるあなたは特に脆弱であることを理解してください。
●意識して、自分の健康状態を観察する
– 自分自身を確認し、二次性外傷性ストレスの一般的な身体的・精神的症状が出て
いないかモニターする(図を参照)。
– これらの症状が、仕事遂行能力に影響を与える場合は職場に相談をする。
●ストレスに対抗するために副交感神経系を活性化する
– 呼吸を意識した練習をする
– 規則正しい食事を心がけ、体内の炎症を高める食品は避けるようにしましょう。
– 質の高い睡眠を促進するために、毎日の寝る前の準備を日課にしましょう。
– ヨガなどの心と体の練習をしてみましょう。
– 利用可能なコミュニティを利用して、社会的なつながりを維持しましょう。
●メンタルヘルスのための時間を取る
– COVID-19に関連したメディアの報道をみないようにする
(日々、患者と関わる機会も多いからこそ、
メディアから放れることも大切になります)
– あなたとあなたの家族が回復するための時間を確保してください。
– 友人と話したり、本を読んだり、ジャーナリングをしたり、瞑想をしたりと、セルフケアの時間を作りましょう。
図は「二次性外傷性ストレス」で生じる種々の症状
こんな症状は続いているなら、職場に相談してみるのもとっても大切です!
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