ある猫たちの話【#猫の詩を読ませてください】
昼寝が好きで陽だまりが好きで
空想の世界にいるのが好きな女の子
気まぐれでわがままで情熱的で
甘えん坊で寂しがり屋で
でもそんな自分を人前では出せない女の子
かわいい猫になりたい
皆に愛される猫になりたい
彼女の夢は叶わなかった
その代わり、猫好きの人に出会った
静かな午後の陽だまりの中
ふたりはよく昼寝をした
彼はいつも優しく、でもときに厳しく
彼女の気まぐれとわがままと激しさと
甘えと寂しさを受け止め続けた
同時に、彼は少しずつ甘えることを覚え
彼女は少しずつ甘えられることを学んだ
彼は彼女にたくさんのカードを贈った
イラストが得意な彼のカードの中で
ふたりはいつも仲良しの猫だった
あるとき、カードに子猫が増えた
時は流れ、
ふたりは白髪を切り合う中年夫婦に
息子たちとの合作になった彼のカードには
もう猫はいない
ただ、彼女がLINEで多用する😺の絵文字は
ふたりが猫だった証
思い出話は照れくさくてできないけど
今でも一緒に昼寝をするし
これからもきっと
猫みたいに甘えあって生きていく
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Mei&Meさんのこちらの企画に参加します。
https://note.com/higuchimasakazu/n/n7f5967605bef
恥ずかしいので多くは語りませんがひとつだけ。
猫と暮らした経験はないのですが、「猫」は私にとってとても大切なモチーフであり概念です。
素敵な企画をありがとうございます。