「微妙」、「●●感」などで、ごまかさない気持ちの伝え方
おはようございます!ビジネス作家の臼井由妃です。
通販やグルメ番組を見聞きしていると「違和感」を覚えることがあります。
たとえば、「フォーマル・スーツ」を通販番組で、紹介していたとしましょう。そこには「ナビゲーター」と呼ばれる進行役と、その商品の製造や販売に関わる業者が「ゲスト」として登場したり「商品アドバイザー」が出演して、「フォーマル・スーツ」を視聴者に売り込むわけです。
高品質で着心地がよく、価格は卸業者等を通さない「ダイレクトプライズ」であるから、お値打ちである、今ならばプレゼントがついているなど。
商品の魅力をアピールします。
そんなとき、頻繁に登場するのが「きちんと感」「素材感」「お得感」「ふんわり感」など、「●●感」という言葉です。
「きちんと」見えるならば「きちんと」でいいですし、「素材」を説明するのならば「この素材は」と、伝えればいい。「お得」であるのならば「お得です」と言い切ればいい。
ふんわりしている印象を抱く素材のものならば、「ふんわりしています」と言えばいいでしょう。
しかし「きちんと感」「素材感」「お得感」「ふんわり感」等々。「感」が多いのです。
始めて「落ち感が素敵でしょう」という会話を耳にしたときには、テレビ画面を見ていなかったせいもあり、「落ち感? 脱げそうなの?」と。
最初は理解できませんでした。
いつごろから、こうした表現が使われ始めたのか分かりませんが、会話に度々登場すると首をかしげるのは、私だけではないでしょう。
先日、ハンドバックを紹介している様を見聞きしている際には、違和感を越えて笑いがこみ上げてきました。
「お素材は高級エナメルを使用しておりますので、テリ感、つや感、しっとり感が、他のお品とは比べようもありません」というナビゲーターに対して、ゲストも「お得感のあるお値段で、これほどきちんと感のあるバックをお求めできるのは、今しかありません」と。
そうした発言を批判するつもりはありませんし、通販番組という背景からすればうなずける部分もあります。
しかしビジネスの場で、「●●感」を会話の中に多用していたとしたら、あなたの思いは伝わっていない可能性が大きいといえます。
その場は「そういうものかな?」と、相手は思うかもしれませんが、後になれば「あの人は何を言いたかったのか?」
「あれはどういう意味だろうか?」
不明瞭な発言に、相手は不安を覚えるでしょう。
もちろん「●●感」という表現には「季節感」「違和感」「存在感」など、「感」なしでは成立しないものもありますが、「感」をつければ意味が通じるだろうと「あやふやな感」を使うのは、あなたの発言や印象をぼやけたものにするだけです。
~「●●感」で自分の発言をぼやかさないで~
最後までお読みいただきありがとうございました。臼井由妃
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