夜光おみくじ #毎週ショートショートnote
私には、幼少の頃からの付き合いの幼馴染がいる。幼稚園から高校までずーっと一緒にいた。
高校卒業までは。
もちろん、幼馴染も同じ大学を受けた。
けど、彼だけが落ちた。
私は大学生になって、はじめて一人になった。
大学で友達は出来た。
夜通し一緒に笑いあえるような友達。
でも、そこに彼はいない。
離れてみて、はじめてわかった。
寂しい。
なんで一緒にいないんだろう?
そんな折、とある噂を聞いた。
一生一緒にいたい人と初詣に行き、おみくじを引いて、それを神社の誰にも見つからないところに結ぶ。
結んだおみくじが、夜に光っていたら願いが成就する。
中学生かよ?
…でも、私は縋りたかった。
なんで、一緒にいられないのか?
なんで、神様は私達を引き裂いたのか?
だから、私は大晦日に彼の家の前に行った。
そして、『初詣行くよ!』とだけ、スマホでメッセージを送った。
出てきてくれないかもしれない。
会ってくれないかもしれない。
祈るように画面を見ていると、すぐに既読がついた。
彼は、断る気がした。
だから、『しらない!初詣行こう!』と追撃のメッセージを送った。
あとは、出てきてくれることを祈るだけ。
そこから、後のことは覚えていない。
気付けば、私は彼の手を引いて初詣に向かっていた。
はじめて裏を書いてみました。(というか、こっちが裏なんですが…w