幼い頃に頻繁に見ていた夢

今はもう見られない、懐かしい夢

海を漂っている。陸地は見えず、足もつかない。ビート板を持っているため沈む心配はない。目視できる範囲に友人や家族も散らばっている。

でかい蛙が海に浮いている。家くらい大きい。濃い緑色をしている。自分は胸まで浸かっているのに、蛙はほとんどが水面より上にあるから圧がある。この蛙は常に鼻血を流している。青い海に広がる蛙の赤い鼻血。

蛙の血に触れたら大きな泡に閉じ込められて海の上をぷかぷか浮く。ビート板とバタ足で頑張って逃げるが胸が水に浸かっているので息苦しい。家族や友人が次々と泡に囚われていく。蛙に捕まったら「終わる」。どうなるのか観測したことはないが、食われて死ぬと思っていた。

ゆらゆらと広がる鼻血への不注意、体力不足などによって泡に囚われる。内側から殴るがビクともしない。大声をあげるが外には聞こえない。ただ喚きながら暴れる様が透明な泡を隔てて外側から見えるだけ。無力感に涙。だいたいそこで目が覚める。

この夢は「こわいもの」と認識していた。何度も見た夢なのに見るたびに泣いていた。これが夢だと認識できるようになってからは怖くなくなり、やがて見なくなった

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