大英博物館でのマンガ展について1

ハフントンポストの記事は、びっくりするぐらい何も書いていなかったけど、こちらはさすが。
日本で漫画というと=日本産のイメージが強いと思うけど、うちの漫画学部への韓国からの熱量とクオリティを見ていると、少し危機感を覚える。
もし、「しかし日本には多様な漫画が溢れていて、他の追随を許す事は無いよ。」と思っているのなら、それは完全に転覆するまで手を打たなかったシャープなどの経営者と同じ傲慢さでしか無いと思う。
転覆させる程の物量があるから脅威なのではなく、独自の文化を広げつつあり、且つ継続的に展開を広げている事と、それを当たり前に取り込めない日本文化の硬直が怖い。多様性が広がりを持つためではなく、限定空間を細かく分けているだけになっているなら、いずれ滅びるんじゃないだろうか。
これは他でも同じで和洋中の食なども、これほど柔軟に受け入れているにもかかわらず、日本食からアレンジされたものだけは頑なに拒んでいる。日本の弱点はアイデンティティに対しての自信の無さで、それを多文化への悪口で誤魔化しがちなのは、残念で仕方がない。
今年京都精華の博士課程を卒業したスラヤは、マレーシアのカートゥーンの「マンガ」化とマレーシアのアイデンティティについて研究していたが、そこで見えてきたのはこのBBCの記事同様に、マンガ化≠日本化という事。マンガは確かに日本で大きく研究されたものだが文化というより文明と呼ぶに相応わしいフレームワークになった。すでにマンガだからと日本が大きな顔を出す必要はなく、言葉で伝えるには難解な異文化の風俗も他者に伝えられるマンガという文明を発明出来た事だけを誇れば良いと思う。

6/26にキュレーターのニコルと会ってくるので、帰ってから続きを書くかも。

関連リンク

BBCニュース 世界は漫画を通して日本を見ているのか

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