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YOUは何しにこの地域へ?
こんにちは。
とある元地域おこし協力隊のta.maです。
今回は、協力隊の任期中に出会った他地域の協力隊のお話をしようかなと思います。
話を聞いてて「何を言っているんだろう?」と思ってしまった自分がいましたが、この話は”協力隊を上手く運営していく”ためには必要な話だと思ったので、つらつらご紹介できればと思います。
協力隊時代に聞いたお話
先ほどのお話になります。
協力隊1年目の終わりくらいに、「協力隊初任者研修」なるものの案内が担当職員から回ってきました。
「初任者研修?何か勉強になることはあるのか?」という気持ちでいっぱいでしたが、「他の協力隊もいるから、勉強がてら行ってみたら?」と言われ、確かにそうかと思い、参加することになりました。
初任者研修に参加してみると、他市町村の協力隊15名と担当職員数名といったメンバーでした。肝心の話の中身ですが、あんまり参考になることはなかったので、全く覚えてません(笑)。
メインの話の後、担当職員を除く、協力隊メンバーでの意見交換会ということで2グループに分かれました。グループ内で自己紹介(名前と活動内容)をした後、自由に意見交換という流れで話をということだったんですが、この意見交換がなかなかでした。
「皆さん、やりたいことできてますか?」
ある協力隊がグループの皆に投げかけます。
「僕はやりたいことができてないんですよ!!活動費使おうにも役場に申請して許可でないと買えないし!!」と言って、ひたすらに不満をぶちまけていました。彼の言う事をまとめるとこうなります。
農業関連の活動を任されているのに、個人の農地を用意してくれない
何をするにしても役場の許可が必要になる
誰も自分のしたいことを応援してくれない
この発言をきっかけに、他の協力隊も不満をこぼし始めます。どの内容もしょうもなく、記憶の片隅にも残ってません。
「地域おこし協力隊って、こんな人がなってるんだ。」ということは、よく勉強になりました。
協力隊が心がけること
先ほどの話からわかることですが、地域おこし協力隊がどういった仕事なのかを、ちゃんと理解できていない協力隊が多いような印象を受けます(もしかすると私の住んでいる地方だけかもしれませんが)。
地域おこし協力隊は、その名の通り「地域を興す」仕事です。決して、個人のやりたいことを応援してもらう仕事ではありません。
しかし、どうしても活躍している協力隊の記事を見てしまうと、夢を叶えることができる仕事と思ってしまうのでしょう。
正直、記事に載っているような協力隊は、かなり努力をされている方々です。そのような方々は、自分勝手にやりたいことをやり続けているわけではなく、地域のために何が必要なのか、そのために自分に何ができるのか(得意なことを活かせないか)を考え、2つの落としどころを上手く見つけることができたんだと思います。
先ほどの協力隊の不満を例にとってみると、とっても簡単なことで解決できると思っています。
農地が借りれないことについて、そもそも農業の経験がない(実績がない)人間に農地を渡そうと思う人はいません。まずは、地元の農家さんのお手伝いをしながら繋がりを作り、仕事ぶりをみてもらい、農業について学ぶ。それを続けることで、信頼関係が築かれていきます。そうなると、「知り合いで農地を手放そうとしている人がいるから、そこで農業やってみないか?」といった紹介に繋がります。紹介された農地をしっかり管理していれば、もう安心です。逆に自分の手に余るほどの農地を紹介され始めるかもしれません。
そこまでの活躍を見たら、役場は安心して仕事を任せられます。活動経費の使い方ややり方にまで口を出してくることはなくなるはずです。人によっては、個人で使えるような補助金を紹介してくれたりと、自分の活動を応援してくれてるようになると思います。
このレベルまでくれば、自分のやりたいことを応援してくれる人は絶対出てきます。一方で、活動を批判する人も一部出てきますが…。しかし、もうこのレベルまでたどり着いたなら、そんなことは気にならないくらい、多くの人に応援されるようになっていると思います。
協力隊として心がけることは、たくさんあると思いますが、やはり自分が1番大切だと思うことは「地域のために何ができるか」だと思います。
協力隊はあなたの夢をかなえる制度ではない
もしこの記事を読んでいる方の中に、これから協力隊になろうかなと思っている方がいましたら、「協力隊は夢をかなえる制度ではない」と思ってもらえたらと思います。
自己実現をしたいのであれば、県や国などが行っている起業支援の補助金などを受ける方が良いです。
もしやりたいことを協力隊の任期中に実現したいのであれば、まずは「協力隊の仕事」と「やりたいこと」は切り離し、少しずつ2つの重なるところを増やしていく形の方がいいように思います。
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