【BL声劇フリー台本】嘘吐き
嘘吐き二人がお別れをしなければならない二人用BL声劇台本です。
この台本は男性が演じてください。
台本では「」と【】で読み手を分けて記載しています。
《》の箇所はそのままでもお読みいただけますが、読み手の方のお名前などお好きなお名前に変更してもお楽しみいただけます。
※の箇所は音の指示ですので読み上げないでください。
ご利用の際は利用規則をご一読くださいますようお願い申し上げます。
【利用規則】
◆この台本の著作権は全て影都千虎に帰属しています。
商用・非商用問わずご利用いただけます。
ご自由にお使いください。
利用時のご連絡は任意ですが、ご連絡をいただけますと大変励みになりますし、喜んで影都千虎が拝聴致します。
音声作品には以下を明記するようお願いいたします。
・作者名：影都千虎
・当台本のURLまたは影都千虎のTwitter ID
（@yukitora01）
配信でのご利用も可能です。
配信で利用される際には、上記二点は口頭で問題ございません。
また、配信で利用される場合、台本を画面上に映していただいて構いません。
台本のアレンジはご自由に行いください。
便宜上、一人称・二人称を設定しておりますが、いずれも変更していただいて問題ございません。
性別の変更は不可とさせていただきます。
この台本は男性が演じてください。
◆無断転載、改変による転載、自作発言は絶対におやめください。
【台本】
【俺は今から《お前》に嫌われる】
【嫌われるように《お前》を手ひどく傷つける】
【俺の吐いた言葉に《お前》は何と言うだろうか】
【どんな表情を浮かべるだろうか】
【どんな感情を抱くだろうか】
【それを想像するだけで死んでしまいたい程の痛みに襲われるが、それでもやらなければならない】
【これが、《お前》の為の最善なんだ】
「僕は今から《君》を嫌いになる」
「嫌いになるように《君》は僕のことを傷つけるんだろう」
「《君》の言葉を受け入れられる自信はない」
「いつもと変わらずにいられるのかな」
「《君》のことを笑って許せるのかな」
「《君》の口から飛び出る言葉を想像するだけで怖くて怖くてたまらない」
「でも、《君》が僕のことを考えた結果なんだろうね」
「ごめん、お待たせ」
【……ああ】
「大事な用って、なあに？」
「あ、そうだ。折角だからどっかお店にでも入る？」
「そこのカフェでも──」
【行かない】
「……ッ、そ、そっか」
「えっと、それなら……」
【今日はこれをお前に返しに来た】
【それだけだ】
「…………これって」
【俺にはもう必要のないものだ】
「必要ないって、なんで」
【……いちいち言わないと分からないか？】
【ならハッキリ言ってやるよ】
【《お前》の事なんか好きじゃない】
【そもそも、最初から好きじゃなかった】
【《お前》みたいな奴と今後も一緒にいるなんて御免だ】
【今日を最後に、もう二度と《お前》とは会わない。声も聞きたくない】
「……最初から、好きじゃなかった？」
【ああ、最初からずっと好きじゃなかった】
【俺の言葉に騙される《お前》が滑稽で仕方なかったよ】
「……そっか。そう、だったんだね」
「それでもせめて……これだけは持っていてくれないかな？」
「馬鹿な僕からの、最後のお願い」
【断る】
【《お前》のことを思い出したくも無いんだ】
【要らねえよ、こんなもの】
「……はは、そうだよね」
「ごめんね、変なこと言って」
【……ッ、ああ、本当にな】
【じゃあ、それだけだから】
「待ってよ」
【は？】
「《君》だけ言いたいこと言って終わりなんて、ズルいよ」
「せめて僕の恨み言だけでも聞いてくれていいんじゃない？」
【……好きにしろ】
「ありがとう。好きに言わせてもらうよ」
「……《トウマ》の、大噓つき」
「嘘ばっかりついて、最低だ」
【軽蔑でもしたか？】
「そうかもしれないね」
「でも、そんな《トウマ》を好きになってしまったのは僕だ」
「だから……これは、最後の僕からのプレゼント」
【プレゼント？ 要らねえって言ってんだろそんなもの】
「そう言わずに受け取ってよ」
※リップ音
「……嘘つきな《トウマ》のことが大嫌いだよ」
「ごめんね、これまで付き合わせてしまって」
「さようなら」
【は】
【……ははっ、はははははははっ！】
【ごめん……ごめんな、《リク》……ッ！】
【あんなこと言って、あんなことしかできなくて……】
【《リク》…………《リク》……ッ！】
【もっと……もっと、ちゃんと嫌いになってもらわなきゃいけなかったのに……】
【俺には、出来なかった……ッ！】
【《リク》……愛してる……】
「……どうかな、うまく笑えてたかな」
「《トウマ》のこと、ちゃんと解放してあげられたかな……っ」
「う……うぅ……うあああッ！」
「い、いやだよ……本当は、嫌いなんて言いたくなかった……っ！」
「なんで……なんでこれ、返すなんて言うんだよ、《トウマ》の馬鹿……！」
「《君》と一緒に過ごせないなら、未来なんて……っ！」